出版社内容情報
本質は止揚された存在である。
存在の本質は反省にあり、存在が自己自身に還帰する生成と移行の無限運動とするヘーゲル論理学の核心。先行する本質論を転倒し、存在から本質を導くことでダイナミックな存在の形而上学体系を確立。決定版・全三巻。
ヘーゲルは、人類の全精神史を眺望し、時間を超え歴史を包摂する絶対者の哲学を目指した思想家であった。『論理の学』も狭義の思考の法則の研究に限局されるのではなく、ヘーゲル自ら記しているように「世界創造以前の永遠の本質における神の叙述」、アリストテレスの第一哲学に相当する「本来的な形而上学」として企図されたのであった。……彼の永遠の哲学を目指す眼差しは、過去と彼の時代に向けられているばかりでなく、未来にも向けられていると見なければならない。その視線の先に現在はあるのである。
『第一巻 存在論』「訳者緒言」より
内容説明
存在の本質は反省にあり、存在が自己自身に帰還する生成と移行の無限運動とするヘーゲル論理学の核心。先行する本質論を転倒し、存在から本質を導くことでダイナミックな存在の形而上学体系を確立。決定版・全三巻。
目次
第一部 それ自身のうちでの反省としての本質(影像;本質規定性ないし反省規定;根拠)
第二部 現象(実存;現象;本質的関係)
第三部 現実性(絶対者;現実性;絶対的関係)
著者等紹介
山口祐弘[ヤマグチマサヒロ]
1944年、東京生まれ。1968年、東京大学文学部哲学科卒業。1976年、東京大学大学院人文科学研究科哲学専門課程博士課程単位取得満期退学。1986年、ブラウンシュヴァイク大学客員研究員。1989年、東京理科大学在外研究員。Ph.D.現在:東京理科大学理学部教養学科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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