内容説明
学園都市を震撼させた9歳の女の子の猟奇殺人。犯人は、13歳の弟のカズシと判明。殺人現場に残されていたサイン〈夜の王子〉はカズシなのか?「本当のぼくは、どこにいる?」という弟の心を解明しようとする14歳の兄の闘い。感動のミステリー!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ユザキ部長
77
僕達のフィールドワーク。賢く何より強い子。命名と分類には驚いたし、壮絶な試練に立ち向かう様にも感動した。誰が正しいのか?ではなく何が正しいのか?正しさの基準を自身の中心に据えること。肌で感じた。2016/01/24
せ~や
48
「愛情とは、支配すること」「犯罪者であっても、誰かが側で寄り添わないと、ずっと一人ぼっちだ」…重い言葉です。親にとっての「子どものために」は、子どもにとって「愛されてる」にならなかった。「これから」じゃなくて、「今」に向き合って欲しかったです。「側に寄り添う」ってなんだろうか?子ども達の、沢山の苦悩が写し出されてる。何色にも染まる純粋さは、「うつくしい」けれど、それはきっと完成した「美しい」ではない、危うさもある。中盤ぐらぃで読むのは大変ですが、子どもや大人、子育てなどなかなか考えてしまう一冊です。☆32018/05/13
タルシル📖ヨムノスキー
26
1997年に起きた神戸連続児童殺傷事件、いわゆる酒鬼薔薇事件から着想を得たという物語。主人公の14歳の少年の弟が、9歳の女の子を殺害した事件から始まる。マスコミのスクープ合戦の末に発信される誇張された記事。それに踊らされる周囲の人々。学校の対応は形ばかりで、その陰では主人公とその友人に対するいじめが。主人公は弟がなぜそんなことをしたのか真相究明のために動き出す。…そして明かされる真実!13歳の少年が起こした事件の扱いや加害者家族の苦しみだけではなく予想以上にたくさんのテーマが盛り込まれていて読み応え抜群。2023/04/15
そうたそ
19
★★☆☆☆ 少年犯罪をテーマとした一作。著者の作品にしては、かなり暗く重々しい作品。でもこういうテーマの作品が数多ある中で、この作品に特に光るものは感じなかったかも。2020/10/28
鈴
16
貫井徳郎「空白の叫び」の解説で、紹介されていて興味を持ったので。中盤までは良かったのだが、だんだんワケわからなくなってきた、というのが正直な感想。少年犯罪に関係なく、犯罪者の家族は犯罪者本人以上に苦しむことになると思う。犯罪者は自業自得だが、家族ってそこまで憎まれるべきなのか。しかし現実だと、そんなに甘い気持ちではいられないのかなぁ。2011/11/15




