内容説明
壇ノ浦の合戦で入水した安徳天皇。伝説の幼帝が、鎌倉の若き詩人王・源実朝の前に、神器とともにその姿を現した。空前の繁栄を誇る大元帝国の都で、巡遣使マルコ・ポーロは、ジパングの驚くべき物語をクビライに語り始める。時を超え、海を越えて紡がれる幻想の一大叙事詩。第19回山本周五郎賞受賞作
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Porco
19
安徳天皇と南宋最後の皇帝、そして日本神話に登場するヒルコという、幼くして海に消えた高貴な3人をつなげた幻想歴史小説。なんかすごい。2019/12/31
目玉おやじ
14
浪の下にも都のさぶらふぞ。壇ノ浦の戦いで入水した幼帝。僅か8歳の子供を政争の犠牲にしなくとも…、とは誰しも思う事だが、ここまで圧倒的な世界を創り上げるとは!神話と史実と虚構が混然一体となった一大叙事詩は、無味乾燥な史実を明らかに凌駕している。特に第二部の息が詰まる様な叙情的な幻想世界は凄い。酸欠になるかと思った(笑)日本・中国・欧州、異なる世界・時代の事象と伝説が、蜜色の光を浴びてシンクロしていく様が幻惑的で美しい。作中で或る有名人が語る台詞を引用しておく。「かかる妖しき話は、無用なる故にそそられる-。」2010/07/03
Mzo
13
日本の貴種流離譚で、一番取り上げられているのは安徳天皇ではないかと思います。私の父の田舎(福島県)にもあるので、この作品もずっと気になっていました。それにしても、流離の仕方が想定外。儚さと美しさを兼ね備えた歴史ファンタジーでした。2025/06/24
KIO
9
この本の世界の雰囲気が好きなら楽しめると思います。現実の歴史を下敷きにしたファンタジーです。雰囲気はよいです。現実に存在する歴史書や短歌を使って、実際とは異なる独自の解釈をして物語の中にとりこんでいっていますが、大人としては抵抗感を感じます。本来の歌や書物の受け取り方をゆがめ、狭めているように感じるからです。2017/09/27
nori
4
I gave up to read around 1/10. Because, I could not see what would be going on and happened in 鎌倉時代, so I felt pain to read in old Japanese narratives. If the same scheme such fantasy of history but different approach, I may possibly like it.