内容説明
東国から約六十年ぶりに京へ戻った<牛>は、そこで豊安(とよやす)という少年に会い、彼を弟子として東寺で仏像を刻むこととなる。そんな中、東寺の奴(やっこ)が良民の娘とわりない仲となり、狭隘(きょうあい)な人々が彼らを追いつめた結果、ある事件が…。平安時代、悲しみに耐えながら生きた庶民に光を当てた長編力作。感動の第二部。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Book Lover Mr.Garakuta
12
図書館本:平安期の仏師の話。2021/04/10
真理そら
1
再読。60年ぶりに「牛」は京に戻ってきた。が、昔近所に住んでいた人たちも代替わりをしてしまい「牛」は浦島太郎状態。唯一豊安という子供だけが「牛」に興味を持つ。東寺造仏所で仏師として働くことになる「牛」は「東のお爺」になり、この巻では豊安が「牛」と呼ばれる。この巻では悲田院から始まる東寺奴「石根」と良民の娘「夜登女」の悲恋がインパクトがありすぎて、「牛」の存在感がかすむ。第一部以上に庶民の生活の悲惨さや、庶民が必ずしも善人ではないことがじっくり書き込まれていて読むのがキツイ。2017/07/10
marumichan
1
第一部からいきなり60年!びっくり!奴、石根が哀しい。作者は何が書きたいのか、まだよくわからない。続きを読みます!2012/11/13
kayoshi
0
★★★・・ 2008/10/08