内容説明
平安朝の時代、紫式部が著した壮大な愛の物語――世界最古の長編小説・源氏物語を高雅で流れるような現代語に訳した「瀬戸内源氏」。その全54帖より、『桐壺』から「宇治十帖」の『浮舟』まで、真髄ともいえる27帖を厳選して収録。華麗なる王朝絵巻の世界がこの1冊で堪能できる。入門書にも最適。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
107
源氏物語の要約版になります。54帖の中から27帖を選りすぐっていますが、それでも物語として成立しているように思いました。これだけ読めば源氏物語がわかるというエッセンスとも言えるでしょう。はじめて源氏物語に触れる人にはぴったりの1冊ですね。そのうちきちんと時間をとってじっくり源氏物語を読みたくなりました。2017/03/21
美雀(みすず)
45
世界最古の長編小説の現代語版。とっても読みやすいのですが、漢字表記でも良いけどなぁと思う所もしばしば。きっと小学生でも読めるようにして配慮の意味なのかも?えっ、これで短縮版なんてねぇ。完全版もいつか読めたらと思います。瀬戸内寂聴さんの優しい文章がとってもいいと思います。相関図を見ながら読むのが無難。2015/03/21
のんすけ
35
源氏物語、何度かチャレンジして初めて一冊読めた。昔は光源氏の自分本位なとこが好きじゃなかった。でも今は滑稽に見える。反対に簡単になびくように見えてた女性たちの、悲しさや辛さや嫉妬、喜び。随分印象が変わった。瀬戸内寂聴さんの文章が、初めは随分軽く感じたけれど、この内容を読ませるにはこのくらいでもいいかも、と思った。2014/05/21
detu
19
何度トライしても中途挫折の源氏物語。寂聴さんのダイジェスト判ならばと。いつも感じるのが源氏物語のどこに人は惹かれるのだろうか?自分的には全く共感出来ない光源氏。二又三又四又の好色助平にしか思えず、読んでいても苛つくばかり。どうしてこんな自分勝手な思考がまかりとおるのだろうかと。平安の雅の世界ではふつうなのかい?帝の后を寝取った源氏はやがて、同じことをやられると激しく憎んだり。ハチャメチャやないかい。2022/07/09
はづきち
11
積ん読本解消3冊目。やっと読みました。瀬戸内寂聴が訳した源氏物語のダイジェスト版です。改めて、源氏物語っておもしろいと思った。そして、こんな物語を描いた紫式部もすごいと感心した。とにかく人物の心理描写がとても現実味にあふれていて、現代人の私たちでも手に取るようにわかる。紫式部の人間観察の鋭さには頭が下がります。さらに、そんな物語を出家した瀬戸内寂聴が訳しているというのが、また味があっていいのかもしれません。2014/01/04