内容説明
自己存在を安穏と肯定できぬ者の焦燥と破壊。かつて住民の半数が朝鮮人だった町。そこで育った者と、新たに半島から移り住む者とのイントレランスな状況から「事件」は起こった。謎を追い疾走する傑作長編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シサキ
1
「寂夜」の『焦熱』の背景としての物語。貞子の叔父で不法滞在中のスンシン、大賀と輝賀の兄弟、池山真人、生田真代。理絵子、敦史、タカシ、貞子。昔の契約、右翼思想、シンナー缶、火事。いくつも重なった繋がりの中のコミュニティ、血縁、売春、幼い日の恋心。描写は多いはずなのに 、いまいち池山に感情移入できず。登場人物多くて時折見失いながらも、ラストスパートは一気に読んだ。2012/12/30
真珠星
0
冒頭のシーンで事件めいたものを感じつつも、どういう事件なのか、いや事件ではないのか・・・その辺りがなかなか明かされないので、はやる気持ちで読み進めた。人間関係も時系列もいい意味で複雑で、ぺージをめくりながらパズルを解いていくようなおもしろさだった。ただ、出てくる女性が揃いも揃って×××なのだけが引っ掛かった。女ってそんなに単純?2016/12/23