内容説明
北朝鮮による日本人拉致で失踪した地村保志さんの生存を信じて、24年間待ち続けた父親・保さんの執念と行動力を綴ったドキュメンタリー。北陸の町で暮らしていた家族4人の平凡な生活が、ある日、突然破壊した。息子保志の失踪後間もなく、母親は心痛のあまり倒れてしまう。父親の地村保は、妻の介護に明け暮れながらも仕事を続け、同時に息子の消息と救出を求めて、思いつく限りの行動をとってきた。一徹な父親のあくなき執念、それは24年間にも及ぶ、壮絶な闘いの日々でもあった。
目次
はじめに
プロローグ
第1章 失踪
第2章 家族
第3章 結束
第4章 明暗
第5章 帰還
第6章 決意
エピローグ
おわりに
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Margate
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北朝鮮による拉致事件の被害者地村保志さんのお父さんが 24年間の苦労(だけではないけれど)を語った本です お父さんご自身の言葉で綴られた文章は強く心に迫って来ます 蓮池 薫さんのお兄さんの書かれた『奪還』もそうだったけれど 自分の家族が帰国を果たしても 家族会の他の人達の事を慮って 心の底からは喜べないという複雑な気持ちが 悲しいくらい伝わって来る 風化させてはいけないと改めて思った 後略 2005/05/18 (WED)2005/05/18
ゆかり
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拉致被害者の地村保志さんのお父様の著書。息子ご夫婦(2002年)、お孫さん達(2004年)の帰国翌年に出版。大工と農業で家族を養ってきた著者が息子さんの消息と救出を求めて活動してきた実話。著者の信念、執念、愛情に溢れている。息子さんの消息不明から1か月後に奥様が倒れ、自分でなければと介護と仕事を続けながらも、探し続けた父親としての姿は感涙。警察の初動捜査のいい加減さ、いち早く北朝鮮に疑惑を持つも、当時は誰も信じてはくれず。あと半年早く帰国できればお母さまも会えていたかと思うと残念。父親の思いを感じる必読書2021/05/28