内容説明
「ジローは、周りに目を向けなきゃ。もっと大きな流れになるために、ね」昔。闇の母なる、彼女はそう言った。そして今。目の前でミミコが告げる。「あなたはちっぽけな流れでしかないの。独りでいようとする限りは!」吹き荒れる嵐の中で、ジローは思う。何故、彼女たちはどんな時も、希望に満ちた眼差しを失わないのか――と。世界で唯一、人間と吸血鬼が共存する場所・特区。しかし、忌むべき血族『九龍の血統』の暗躍で特区は崩壊の危機に直面していた! 赤も黒も、全ての“血”が交じり合う真実がここに在る!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まりも
23
二人の関係も含めこっからが本編って感じ。かなりの盛り上がりを見せた今回ですがここから先起こる戦いから見たら序章に過ぎないんですよね。今後が楽しみすぎる。メイン二人がかっこいいのは勿論ですがゼルマンを始めとした脇を固めるキャラクターもそれぞれ違ったかっこよさがあっていいですね。青臭い吸血鬼ジローを吹っ切れさせたミミコの言葉、行動力には感動した。ここから始まる決戦がどうなるのか非常に楽しみ。2014/09/09
のれん
12
2巻分のまとめに相応しい後半の会話劇のための構成。 ミミコはお節介丸出しで無力で、でも誰よりも頑張る姿を応援し、理解されない怪物を抱擁する。こういうヒロインは前作の『Dクラ』からいて、今では『BLEACH』の織姫以降いなくなったキャラクターだと思う。 でも辛い境遇だからこそ、そこからかけ離れた立場から認めるというのには、作劇的な魅力があると感じる。 九龍血族に関しては謎が多いいけれど、裏が見え隠れする。 薄暗くて血の通う香港映画っぽさも含め、古き良きが今作の評価の大部分かもしれない。2021/08/11
晦夢
8
素晴らしい盛り上がり。これでようやくジローが舞台に上がったとかすごすぎる。もう十分クライマックスでした。キャラ多くてみんなカッコいいな。カーサの姉弟はややこしいなw ミミコさんジロー相手に啖呵切るとかイケメン。2013/12/03
紅狐
7
ミミコ、コタロウ、ジロー、そして彼らの仲間たちが起こっている出来事を調査し、把握し、対策しようとする描写は震えた。「九龍の血筋」との対決はこれから始まったばかりだということだったけど、今回の舞台の幕引きはあまりにも唐突すぎた気がする。もう少し感慨も残してほしかった。そして何より、伏線の回収が見事だと思った。陰謀も暴かれ、問題が表面化した今、これからどうするのかが楽しみ。2010/07/19
rainmaker
6
「あなたたちは孤立してない。まず、ここにあたしがいる」/BBB3巻目。特区震撼。九龍の血統により混乱する特区。それを抑えるため動く主役陣はもとよりおっさん達もカッコイイ。/「ジローさん、あいつら、やっつけちゃえ」「是非もない」/ジローとミミコの本音のぶつかり合い、そしてそこからの終盤のバトルのスピード感は圧巻の一言です。2016/08/28