内容説明
東は南鳥島から西は与那国島、北は択捉島から南は沖ノ鳥島まで。主権的権利を持つ排他的経済水域(EEZ)は約四四七万平方キロ、世界で六番目の広さである。しかし残念ながら日本が広い国であることを知っている日本人は少ない――。中国潜水艦の侵犯、北朝鮮不審船、北方領土など連日のように報道される領土問題、そこでは何が起きているのか。歴史を紐解き、現地からの迫真レポートも交えながら「日本の国境」を考える。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Miyoshi Hirotaka
29
四方を海に囲まれたわが国は近代まで自然要塞に守られていたようなもの。信長がキリスト教に寛容だったのもこの鉄壁の防御力のおかげ。軍事の天才は季節風により攻撃時期が限られること、馬は長距離の海上輸送に不向きなことを見抜いていた。ところが、帆船の時代が終わり、さらに航空機が登場したことで、強みは一気に弱みに転じた。陸地は小さいものの排他的経済水域まで含めると実はわが国は世界で6番目の大国。我々は四方からの軍事的な脅威にさらされている。領海侵犯、不法操業、不審船の横行などは国土を直接侵されているのと変わらない。2015/09/03
いっしー
20
よくありそうなタイトルだが、離島ファン(?)としては想像以上に面白かった。時代的に少し古い内容もあるようだが、歴史的経緯などの基本的内容について興味深く読むことができた。沖ノ鳥島、石垣島、特に大東諸島の暮らしなど、これからも多分行くことがない島々の歴史、文化、そして島を守ってきた人々の奮闘ぶりに目から鱗だった。2017/12/10
ようはん
18
2005年初版の本で現在とは情勢が異なる部分はあると思うが、国境付近の海域や地域に関して知らなかった事実が多かった。前線で不審船等の取り締まりに尽力する海上保安庁の職員達には頭が下がる思いとなる。2022/09/20
あらあらら
9
ここ何年かの失政で国境が狭くなってる感。主張すべきは主張しないと。いつまでもアメリカ頼みじゃ2014/12/18
田園の風
9
現在の日本の国境問題は、サンフランシスコ平和条約で取り決めた日本の領土(北方四島、尖閣諸島、竹島)が、ソ連(ロシア)、中国、韓国において無視されたことに起因すると理解した。この三カ国は、サンフランシスコ平和条約の締結国ではないと書いてある。サンフランシスコ平和条約は締結国にだけ効力が及ぶものだったのか。そもそも、第二次世界大戦の戦後処理はいかなるものであったのか。戦後史の学習が必要である。2014/05/06