内容説明
恐怖の宣伝、強制収容、終身隔離……「病んだ」共同体はいったいどこへ向かうのか。ハンセン病を軸に日本社会の「病い」観を問いなおす。
目次
序章 終わりからはじめること
第1章 近代国家であるために
第2章 隔離という病いをめぐって
第3章 「奇妙な国」の論理
第4章 「牧人」の系譜学
第5章 生きがい論の陥穽
第6章 ユートピアの枠
終章 そして、都市へ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おさむ
37
新型コロナウイルス問題における隔離を見ていると、どうしてもハンセン病を彷彿してしまう。ハンセン病を巡る我が国の歴史を丁寧にトレースしながら、まさに患者の断種や隔離というおこないが善意と悪意の両面をもち、その評価は時代によって揺れ動いてきたという冷徹な現実を私達に突きつけてきます。隔離医療と人権尊重をいかに両立させるか。著者は義理と人情によって人間の不寛容が広がるのを遅延させるしかないと解きます。今だからこそ噛みしめたい言葉のように感じました。2020/03/30
玻璃
2
文献調査と現場のルポの組み合わせで大変ボリュームのある内容だった。ハンセン病差別について本を読むごとに、自分がいかにこの問題について知らなかったか痛感する。ハンセン病といえば絶対隔離政策だが、草津の事例は非常に興味深い。私にはとても難しかったが、多面的に調べないとこの問題の本質を見誤るのはよくわかった。最小国家主義や満州国との対比など、著者ならではの視点は面白い。が、これを理解するのにはもっと勉強しないとなあ。いつか再読したい。2019/11/23
読んで読まれて
1
薬が出来ても、らい予防法が廃止されなかった背景や近代日本共同体を「書斎系」と「現場系」の方法で書かれた本。 P133.の長島事件への関西MTLの投稿文などは、現在のSNSではどのような形で見受けられるのだろうか? 第5章で取り上げられる、北条民雄『いのちの初夜』は、青空文庫、kindleで読めます。2020/05/17
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