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内容説明
敬語は「人と人とのあいだの距離」ということを前提にして考えるとよくわかる。そのことをはっきりさせ、相手と自分との「距離」を認識すれば、敬語はもっと使いやすくなり、使い分けの難しい「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」もこわくない! さらに歴史や成り立ちを知ることで、現代生活での「ちゃんと話すための」敬語を身につけることができる。敬語は決して面倒なものではなく、コミュニケーションをより良くできる表現力豊かな日本語だ!
目次
「先生がいらっしゃった」と言いますか?
「ねェ、先生」はいけないのか?
敬語がはやらなくなったわけ
三種類の敬語
正しく使うとへんになる敬語
見上げれば尊いけど、見上げないと尊くない先生
「目上の人」ってどんな人?
「えらい人の世界」はたいへんだ
敬語ができあがった時代
尊敬したくない相手に「尊敬の敬語」を使う理由
えらい人はなぜ「先生」と呼ばれるのか
「えらい人」がえらそうなわけ
だれがだれやらわからない日本語
「えらいか、えらくないか」しか考えなかった日本人は、「自分のこと」しか考えられない
日本語には豊かな表現がある
敬語は時代によって変わる
やっぱり敬語が必要なわけ
大昔の中国人は「丁寧」という楽器をボワーンと鳴らした
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
♪みどりpiyopiyo♪
60
以前読んだ本。今 奨めたい友人がいます♪ ■現代の敬語は、上下関係ではなく「人との距離感を自在に操るための便利なツール」という視点を貰って、生きるのが少し楽になりました。人間関係をきちんと動かすことを言葉が助けてくれる☆ ■言葉づかいに良い悪いは無いけれど、その人となりをしっかり表すものである。どのように伝えるか、どのように思われるのかを自分なりに考えていく事が大事。タメ口は独り言。■敬語を「日本語の表現力の豊かさ」と捉えるのも、なんか好きです。(→続
カピバラ
31
読む対象を強烈に意識して書いてくださった、日本人は刮目すべき一冊。敬語の成り立ちを知れば、頭ごなしに敬語を使わんか!と叱られるよりずっと府に落ちる。もしまた教壇に立つことがあれば、生徒たちに話してあげたい話が沢山載っていた。2020/01/16
今庄和恵@マチカドホケン室/コネクトロン
23
目から鱗が1億枚くらい落ちて体重が10キロ軽くなった!というくらいの衝撃の書。敬語とは人との適正距離をはかるためのものだったのか!!関西にきて二人称に「自分」と使われることにどうにも慣れなかったのだけど、ヤクザの「ワレ、いてこますぞ!」のワレが我だったとは!!!!コンビニ言葉の気持ち悪さ、距離感を間違ってるものなのだな、と納得。2019/11/08
かくば
21
敬語はもともと日本に身分階級があった頃の名残で、正しく使えないと文字通り”罰が当たった”そうです。目上と目下、尊敬と謙譲のルーツを聖徳太子の時代から辿りつつ、最終的に”身分差という概念のない現代に、正しい敬語なんて実は無いんだよ”と解説するくだりが目から鱗でした。ただし言葉づかいに良い悪いは無いけれど、その人となりをしっかり表すものであることは確かのようです。日本語って面白い。2015/06/22
タルシル📖ヨムノスキー
20
ちくまプリマー新書の記念すべき第1冊目。ビジネス書でよくある敬語の使い方のハウツー本ではなく、敬語とは何か、なぜ敬語を使わなくてはならないのかについて書かれた本です。10代向けとは言っても内容はけっこう難しいです。さすがにこの歳になると、「敬語って、エラい人、エラそうにしている人にとりあえず使っとく言葉じゃないの?」とは思わないが、〝敬語とは人と人との距離を認める言葉〟というのは、目からウロコでした。それと、暴走族やヤンキー(死語?)なんかがカッコつけた自己PR「○○参上!」は、実は謙譲語だったとは。2019/08/08