内容説明
推理トリック研究家・久我京介と助手・明夫、その女友達の洋子は、瀬戸内海の別荘に招待されて夏のバカンスを楽しんでいた。「あっ、首がない!」無人島の浜辺に、まるで日光浴でもするかのように横たわる、男の首なし死体。続いて起こる密室殺人。 本書主人公同様、推理トリックに造詣深い著者が放つ長編傑作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やまだん
6
推理クイズの本を多数執筆している藤原宰太郎の長編小説。無人島で首なし死体が発見され,さらに,密室トリックやダイイングメッセージまで登場するなど,本格ミステリ的なコードが満載だが…そのトリックは,まさに推理クイズレベル。小説としても,トリック研究科という訳の分からないライター相手に,警察が捜査情報を漏らすなど,リアリティなどは皆無。登場キャラクターも,あまり魅力的でない。読む価値はそれほどないと思うが,読みやすくはあるので,軽い小説を読みたいというなら,電子書籍版を読んでもよいかもしれない(5点)。2017/04/16
コウ
1
昭和63年の"首なし死体"モノ。舞台が広島・尾道で土地鑑もあり、面白く読めた。"首なし死体"モノとしては王道路線だが、探偵役が推理トリック研究家という、なんとも曖昧な(決して探偵では無い)立ち位置が読者とちょうど良い距離感で推理をすすめていってくれるので、実に優しいミステリ作品。特別驚く要素は無いけれど、登場人物にも好感が持てる一冊だった!(これがシリーズ二作目であったことに読んでる途中で気付かされ、こっそり落ち込んだけれど…。)2021/08/01