寺田寅彦と現代 - 等身大の科学をもとめて

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寺田寅彦と現代 - 等身大の科学をもとめて

  • 著者名:池内了
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • みすず書房(2005/01発売)
  • ポイント 20pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784622071266
  • NDC分類:289.1

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内容説明

「寺田寅彦について現代から再照射してみたい……といって、これまで多く書かれてきた寺田寅彦論を繰り返そうという意図ではない。彼の死から70年近くも経っており、現代科学は彼の時代から大きく変貌し、また社会における科学の位置づけも異なっている。過去を惜しむかのような寺田寅彦論ではなく、彼の眼を借りて、現代科学の有りようを批判的に炙り出したいのだ。現代の私たちは、科学・技術の巨大な成果に取り巻かれ、もはや科学・技術と縁を切って生きることができない。しかし、科学・技術の負の側面にも直面することになった。科学は善とばかりに考え、このまま野放図に拡大していって良いかどうか、じっくり考えるべき時が来ている。科学の光と陰を見据えながら、寺田寅彦を現代に蘇らせてみようという試みである」(はじめに)。寺田寅彦は「二つの文化」、自然科学と文学という二つの領域において輝かしい業績を遺した。科学にあっては、ゆらぎやアポトーシスなど、複雑系の科学への流れを想定し、映画や連句においてはモンタージュ論によって芸術理論の革新を計った。本書は、科学における多くの先見の明、戦争や地震災害にたいする対応などから、多面的な人間=寅彦の全体像を初めて明らかにし、その遺産を近・現代科学史に位置づけた刺戟的な労作である。

目次

第1章 「二十世紀の予言」と現代
第2章 寺田寅彦が提唱した新しい科学
第3章 技術と戦争を巡って
第4章 科学・科学者・科学教育
第5章 自然災害の科学
第6章 科学と芸術
第7章 寅彦と宇吉郎、そして現代

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬参仟縁

18
セレンディピティーは、偶然の思いがけない事象が 手がかりとなって、質的な飛躍を遂げる(32頁)。 さらに、洞察力が必要とのこと。 金平糖はゆらぎを引き金とする秩序形成で、 対称性の自発的破れも指摘されている(47頁)。 あの突起は糖分が球の表面で小さなゆらぎを生じさせ、 不安定で増幅した結果のようだ。 面白い現象。 STAP細胞関係では、寺田先生はアポトーシスという 生物現象に気づいておられた。細胞死は落ち葉などの 事例がある(54頁~)。 2014/03/25

シュンスケ

1
街場の教育論2009/06/30

いちはじめ

1
この本を読むくらいなら、寺田寅彦のエッセイを直接読んだ方がよいと思う。2005/03/08

慶多楼

0
あとがきにある通り、第5章に記される災害観の推移が、読みどころ。ありがちな寅彦本と違うの。2017/03/06

Kalessin

0
寺田寅彦の本というより、筆者が考える現代の諸問題を寺田寅彦の随筆などの視点を中心にまとめた本。寺田寅彦の考え方というより、筆者がの考え方が全面に出ているので、前者を期待して読むとがっかりする人もいるかもしれません。私はそういう読み方、考え方もあるのだなと興味深く読ませてもらいました。2014/08/23

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