内容説明
地方都市・K市の市民センターで開かれている外国人労働者向けの日本語教室。講師を務めるのは「ボランティア」の日本人たち。国籍も年齢も習慣も生活環境も異なる生徒や講師たちが集まるこの場所で起こる奇妙な事件。盗難疑惑、ストーカー、恋愛騒動――。善意・悪意・偏見・嫉妬・打算・甘え……。「普通の人々」の裡(うち)にある〃本音〃が生々しく映し出される傑作ミステリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kei302
50
市民センターで外国の人たちに日本語を教えるボランティア。発起人の兵藤と募集で集まった人たちの連作短編。 人が集まればトラブルは付きもの。その上、市民センターの利用者からの苦情や偏見が露わになって、どうなる、日本語教室。メンバーの山崎「ほんの少しやってみて感じたんですが、結局いろいろな問題は我々の側にあるものかもしれませんね、そんな気がします」この言葉に尽きる。個人を理解しようとせず、一方的に差別的な言動を取る人たちを変えるにはどうしたらよいのだろう。2020/09/16
penguin-blue
42
外国人を対象にした日本語教室ボランティアが舞台。ボランティアのきっかけが崇高なものではなく、リストラだったり、ご近所への見栄だったり、ちやほやされたいからだったりというところが真実味がある。そして、そんな本音と建前の間の後ろめたさや、奥底に潜む差別意識を見透かすようにいろいろなことが起こる。動機の純粋さ(と言うより不純さ)が必ずしもボランティアとしてどうか、に直結しないのがみそ。2019/03/29
Iso
14
ボランティアって本当に難しいですね。どうしても上から目線になったり、賞賛の声が欲しかったり、純粋な気持ちだけではやっていけない気がする。そんなボランティアの本音が聞こえてきそうなこの話、怖すぎる2016/03/26
James Hayashi
8
外国人に日本語を教えるボランティアの人々と、学ぶ外人さんたちの短編連作。善意で教えているかと思えば、裏があった。隅に置けない二重人格者たち。まあ、全部が全部そうではないけど、一部は卑劣な人間がおり世間を騒がしているのかな。この著者の2作目だけど、マイナーな話題をテーマにしてるのかな?2013/12/05
ばる
8
半年に1回、東北に足を運び続けてるのでタイトルに惹かれて取ってしまった。ボランティアってなんでやってるんだっけ?ってふと思ってしまうことが、ここではかなり人間臭く、むしろボランティアを憎んでますか?と思ってしまう。善意がなんだか皮肉にコワイ。2013/07/23




