トリイ・ヘイデン文庫<br> 檻のなかの子   憎悪にとらわれた少年の物語

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トリイ・ヘイデン文庫
檻のなかの子 憎悪にとらわれた少年の物語

  • ISBN:9784151102042

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内容説明

8年間誰とも口をきかず、机の下で怯える15歳の少年ケヴィン。恐怖心が爆発すると、周囲も自分も傷つけ暴れまわる。トリイと机の下にもぐっての努力の末、ついにケヴィンは言葉を発した。だが、ある日彼が描いた世にもおぞましい絵は、何を表わすのか? 怒りと憎しみの塊となった少年の再生への道を描く問題作。/掲出の書影は底本のものです

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Rin

27
【再読】今回は今までよりも年齢が上の子ども。話す事をせず、恐怖に囚われて。愛された事もなく、福祉や行政の手からもこぼれ落ちて、彼の過去はファイルには殆ど記されていない。そんな彼と向き合って愛して、抱きしめてあげるトリイに最後は心が揺さぶられる。私自身、諦めずにもっとチャレンジして模索して進まないとと思わされる。ケヴィンの過去は壮絶で憎しみや恐怖に雁字搦めになって、「頭がおかしい方がいいんだよ」という言葉が悲しすぎる。それでも自分で過去と決別できた彼の未来には幸せや自分で作る家族があって欲しいと祈りたい。2015/05/30

ヒラP@ehon.gohon

14
妹を義父に虐待死された少年の憎悪と、仇討ち願望。屈折して閉じ籠ってしまった心と対峙するトリイの息詰まるような療法に圧倒されました。何度もの挫折に、暗い最終章を予測してしまったのですが、それを乗り越えたケヴィンには拍手を、苦難に打ち勝ったトリイの献身に限り無い賞賛を贈ります。2016/07/27

yos

6
裏切られても傷つけられても、見捨てずあきらめず、ねばり強くケヴィンとかかわりつづけたトリイに感動します。何度問題行動を起こしても、どこへ連れていかれても、トリイが助けに来てくれることを心のどこかで信じていたケヴィン。人と人とのつながりや、相手を信じること、かかわりつづけることの大切さに心打たれます。2005/11/22

こやま

4
毎回の事だけど、どの子供たちも応援したくなります。ケヴィンやチャリティーはトリイによって救われた。でも、トリイにも救えなかった子は沢山いると思う。でも、やらなかったら、救えた子もいない。それがトリイの凄いところだと思う。2012/03/11

shokokot

3
大人のしたことで、傷つき どうしようもなく心を病んでしまう子供が本当にたくさんいるのだと改めて考えさせられた。 トリイのHPにてケヴィンのその後を知り、ほっとした思い。2015/02/12

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