角川文庫<br> 実録・外道の条件

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角川文庫
実録・外道の条件

  • 著者名:町田康
  • 価格 ¥462(本体¥420)
  • KADOKAWA(2014/01発売)
  • ポイント 4pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784043777013

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内容説明

なにゆえかくも話が通じないのであろうか。丁重な文面であるのにもかかわらず、その文面のなかにときおり顔をのぞかせる強い調子、攻撃的な排他性のごときを改めて強く感じ、その根拠として彼らが標榜しているボランティアという概念について、普段そんなことについてまるで考えたことのなかった私が、この困惑を契機に深く考えるようになってしまったというのは、いったいいかなる因果・因縁であろうか。(「地獄のボランティア」より)芥川賞受賞第1作となった傑作小説集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

めしいらず

56
責任逃れし合う者たち。相手の到らなさを数えることにばかり専心し、その矛先が己に向く事はない。白眉は「地獄のボランティア」。物事をはっきりくっきりさせぬまま、なんとなーく転がるに任せる日本人らしい言い回しや態度の曖昧さが招いた顛末。その齟齬をどうするのか。面倒事は先延ばし。一向に交わらぬ忖度。それぞれの言葉の読み取り能力によって受け取り方が変わり、その結果が変わる。互いに譲らぬ頑なさや自己肯定も見え隠れする。ボランティアという言葉にある有無を言わさぬ善的な重圧感。危機管理は現代人が生きていく為の嗜みだろう。2020/06/18

siro

43
あー可笑しい。外道どもに翻弄させられるマーチダ氏(笑)独特の言い回しが癖になる。実際にあったのかしらこんな事?でもありそう、あるんだろうなぁ~と思ってしまう。猫と戯れるマーチダ氏に和む。2014/05/26

ふう

37
独自の感覚と独特な文体。わかりにくいようだけど、読んでいて「わかるわかる」と頷いてしまいます。あやしい人たちがたくさんいそうな界隈にいて、約束の時間を守るなど彼の考え方はまっとうで、それ故に自分たちの感性が今風で「あり!」と思い込んでいる業界の外道の方々に振り回されてしまいます。悲惨?な経験も変にエネルギッシュな表現でそれほど攻撃的にも陰惨にもならず、かえって町田氏の人の良さが感じられました。2012/06/22

メタボン

33
☆☆☆☆ さすが町田康、個性強い文体で、業界に巣食う外道どもを、デフォルメすることでこきおろす。痛快な短編集。呆れすぎて鳩語になってしまうのが、笑える。デデポ。2022/12/20

Mishima

32
重めの読書が続いたので、マーチダさんに救いを求めた。ああ、彼は期待を裏切らない。一人ボケ、ツッコミを紙面にてここまで追求できるなんて!映像で見る、お笑いを超えてる、と思う。だって、視覚に訴えられないのに、この引き出し感。読むよ、読み続けるよ、マチーダ先生!2015/05/30

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