内容説明
海に薄情な日本人よ。かつてこの島国には、海のサムライたちがいたではないか。日本よ海に熱くなれ――!
古代の海賊王・藤原純友、村上海賊衆と松浦党、九鬼嘉隆や小西行長などの戦国武将、さらには三浦按針、山田長政、鄭成功。国境を越えて戦い抜いた英雄の生涯を、海洋小説の第一人者が愛惜を込めて描く歴史エッセイ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
糜竺(びじく)
17
海と大いに関係した歴史上の人物を紹介、教えてくれる読物です。そんなに知られていないけど、海を舞台に活躍したサムライも結構いたんですね!何人もの人物を読みやすく紹介してくれていますが、特に印象に残ったのは鄭成功!江戸初期の人で、父は中国人で母は日本人。7歳まで日本の平戸にいて、それから中国に移り、国境を越えて戦い抜き、今でも台湾や中国で英雄視されている人です。非常に興味深かった!この本の著者の白石一郎氏は海を舞台にした歴史小説を多数書かれているそうなので、またいずれ読んでみたいです。2013/05/23
TheWho
8
海洋歴史小説のパイオニアである著者が、2001年に八回に渡って放送されたNHK人間講座「サムライたちの海」で紹介した海を舞台に活躍した人物の生涯と歴史観を一冊に纏めた歴史読本。本著は11章に編まれているが、海賊、水軍、海商、また日本と関連する外国人ら著者が小説で取り上げた様々な人物の小説とは違う実像を愛惜を込めてに語っている。そして縦横無尽に海外飛雄した日本人の寛永の鎖国令後に歩んだ歴史の功罪が、現代人の海への無関心と冷淡さを払拭されていないと結んでいる。日本の海の史劇を一冊に纏めたお勧めの作品です。2015/07/24
ryoma
0
鄭親子と山田長政に興味津々!2016/04/03
ハット
0
日本もかつては海洋国家だった…… やや荒っぽい理論な気もしたが、読んでみて納得できる部分もあった。海をテーマに様々な人物を簡潔に紹介してくれていて読みやすい。 今の日本が抱える閉塞感には、これぐらいの新しい価値観をぶち込むべきなのかも。2016/03/13
なつきネコ
0
〇普段、歴史で考えない、海と日本人を解りやすくまとめた一冊。九鬼嘉孝や、小西行長などの知ってる武将も、海を通すと別なイメージで見えてくる。さらに松浦党など、知らない事も多い。なによりもテイ成功の父親、芝龍のスケールのデカイ悪人ぶりはスゴイ。 日本海の海賊を纏め、さらに明の政府高官に成り上がる、まさに海賊王と言っても良い。こんなにもスケールがデカイ世界があるなんて。対して徳川の水軍のしょぼさはなんか萎えるな。2013/12/28