角川文庫<br> 蕎麦屋の恋

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角川文庫
蕎麦屋の恋

  • 著者名:姫野カオルコ
  • 価格 ¥462(本体¥420)
  • KADOKAWA(2014/12発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 120pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784041835128

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内容説明

秋原健一、四十三歳、ふつうの会社員。波多野妙子、OLを辞めた三十歳。それぞれに過去の小さくも苦い思いを抱えた男と女は、通勤の京浜急行で出会い、途中下車した駅の蕎麦屋でせいろをすすり、ただテレビを観る。淡く、不思議な甘さに包まれながら――。爽やかな感性の触れあいを描いた表題作他二編収録。日常に潜むふとした喜びやせつなさを掬い取った可憐な短編集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

夢追人009

161
姫野カオルコさんの3作収録の中短編集を読んで第一に感じたのは重苦しさとは無縁の恋愛に対する軽やかでしなやかな感性ですね。表題作『蕎麦屋の恋』は既婚者なのに会社の同僚女性達にモテモテの43歳の経理課長・秋原健一と調理師を目指す恋愛下手の30歳女性・波多野妙子との心のふれあいの物語で、二人一緒に「花の首飾り」を口ずさみながら何処までも健全で不倫関係に陥りそうには全く思えない不思議な男女関係が描かれていますね。あまりに純粋過ぎるヒロインの行く末が心配になりますがこのまま真っ直ぐに進むのが幸せかなとも思いますね。2020/01/13

じいじ

106
二作目の姫野作品は、文章は歯切れがよく読み易い。独特の空気感を感じます。表題作―題材は平凡だが爽やかで読み心地良い中編小説です。43歳妻子持ち、製薬会社の経理課長が主人公。計算機ならぬ算盤が達者なだけの冴えない中年男。何だか知れぬが、この男悔しいくらい女性にモテるのだ。或る日、通勤電車で出会ったユニークな女との恋が芽生えます。果たして、気になる恋の行方は…? 随所で懐かしのタイガースの「花の首飾り」が聴こえてきます。2018/11/21

nemuro

58
開梱漏れだった「本・函館」(2009年4月~2012年3月の購入本)の段ボール箱からの発掘。函館時代、2012年2月「ジュンク堂書店札幌店」で『いつも旅のなか』(角田光代/角川文庫)とともに購入。読メ(2009年1月登録)での履歴はないがたぶん再読と思いながら。表題作を含む3編を収録。うむっ、たしかにこんな物語。読了後、たまたま開梱した「本・稚内」(2004年4月~2006年3月の購入本)の箱からは(前回読んだと思われる)もう一冊の『蕎麦屋の恋』。購入の時期も場所も全然違う2冊が同時期に発掘。奇遇である。2025/11/09

shizuka

58
なんといっても「蕎麦屋の恋」が秀逸。まず京急線沿線の話。いつも利用している路線だから親近感湧きまくり。八景、横浜、川崎とイメージしやすく、頭の中が映画館に。あれはきっとあそこだろうなーと。波多野さんの恋の表現、ステキ。炬燵に入って一緒にTVを見る。愛情があるからこそ。愛を感じる場面、行動、人それぞれなんだ。ホテル行って一緒にTV見て帰る。新鮮だった!他2編。自由が丘の勘違いカフェはありそうで。基次郎的行動痛快。最後、フィンランド舞台。タイプの違う女性2人と男性1人。桜子タイプなんだかんだモテる。おそらく。2017/03/24

佐島楓

32
表題作ほか二編収録。表題作がよかった。人生に疲れてきている中年男性と、人生これからのアラサー女性の邂逅。恋に発展未満のよくわからない、不思議な距離感。それを醸し出しているのはひとえに超・天然の女性。このようなずれていたりはみ出していたり、あるいは生きづらさを感じている人物を書くのが姫野さんはとても巧いと思う。いい小説を読ませていただいた。2014/03/26

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