内容説明
家の者を全員集め、エイモリー卿は言い放った。この中に書類を盗んだ者がいるはずだ。暗くしておくからその間に返してほしい。やがて明かりがつくと、エイモリー卿は毒殺されていた……名探偵ポアロが導く予想外の真相とは? 全世界で話題となったクリスティー初のオリジナル戯曲の、チャールズ・オズボーンによる小説化版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
こーた
201
戯曲の小説化だが、書いたのはクリスティー本人ではなく研究家の手になるそうだ。元の戯曲は読んでいたので、この小説版を読むことで、話がより立体的になったとはおもう。が、クリスティーは戯曲として書いているので、やはり演じられる劇を観てこその話だよな、という認識を新たにする。今なら三谷幸喜脚本とかで、映像でやっても面白いかも。あと、やはりクリスティーの語りは抜群に巧い、というのもよくわかる。サーヴィスのつもりなのだろうが、研究家は余計なことを書きすぎるんだよね。現代的な視点や表現が混ざり込んでいるのも気になった。2023/08/01
セウテス
66
戯曲として出された作品の小説版です。ですから、読者はエイモリー邸のリビングの様な部屋のみで起きる事を観ているのです。容疑者が全て部屋の中に集まった状態で、電気が一瞬消えます。後にポアロが現れコーヒーに仕組まれた毒で、当主サー・クロードが殺されます。この物語の特長は殺人よりも、盗まれたメモが電気が消えた暗闇に乗じて、何者かによって部屋の中の何処かに隠された事です。読者はまるで舞台を観ているが如く、暗闇の中の音や変化に全神経を集中して、メモを探す事になるのです。こんな経験は初めてです。クリスティは奥が深い。2015/02/03
涼
63
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/03/post-d4cd61.html 元が戯曲だけに、劇を観ているようでした。2023/03/18
財布にジャック
61
戯曲を小説化したものなので、あまり派手な動きがありません。いかにも舞台の上で起きる殺人でしたが、単純な割には犯人を当てることが出来ませんでした。何故かいつもに比べると読みにくいなぁと違和感を感じてしまったのは、クリスティー自身が書いたものではなく、チャールズ・オズボーンが戯曲をもとに小説として書き直したものだったからなのだと読み終わってから気づきました。本の表紙にはアガサの名前しかなかったのでそう言う意味でまんまと騙された気分です。2014/09/30
Kircheis
59
★★★☆☆ クリスティの戯曲集の第一作目。 テンポも良く、ミステリーとしても楽しめる。 ポアロも小説と変わらず良いキャラ。 ただ、ヘイスティングスはいなくてもいい感じ。 舞台劇を想定して書かれているから、当然活字だと魅力半減。 本物を舞台で観たい。2018/11/05
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