九つの殺人メルヘン - 連作推理小説

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九つの殺人メルヘン - 連作推理小説

  • 著者名:鯨統一郎
  • 価格 ¥660(本体¥600)
  • 光文社(2012/09発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784334736934
  • NDC分類:913.6

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内容説明

彼女がワイングラスの日本酒を呷(あお)ると、確実なはずのアリバイが崩れ出す――! 渋谷区にある日本酒バー。金曜日に現れる日本酒好きの女子大生・桜川東子(さくらがわはるこ)が、常連の工藤(くどう)と山内(やまうち)、そしてマスターの“厄年トリオ”と推理する九つの事件。グリム童話の新解釈になぞらえて、解き明かされる事件の真相とは!? 興趣(きょうしゅ)あふれるバー・ミステリー珠玉集、華やかに登場!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Tetchy

131
金曜の夜、日本酒バーで常連の工藤刑事と犯罪心理学者山内とマスター3人に探偵役の女子大生桜川東子が加わり、工藤が捜査中の事件を解決する。各話の事件は有栖川氏の某作品に出てくるアリバイ講義の9パターンのアリバイトリックを踏襲したアリバイ崩しに特化しており、更にタイトルが示すようにグリム童話をモチーフに構成している、かなりの技巧ミステリ。加えて毎回変わる日本酒の銘柄とその蘊蓄も加わるのは酒好きには堪らない。そこに芸能ネタと時事ネタが加わり、さながらお酒を飲みながら四方山話に花咲かせるように読めるのが楽しかった。2025/03/19

セウテス

74
桜川東子シリーズ第1弾。鯨統一郎氏らしい9連作短編集。グリム童話の解釈をベースに、殺人事件のミステリが展開する。しかも驚く事に、有栖川有栖氏が「マジックミラー」内で語っていた9つの密室の形を、1作品毎全て使用しているのだ。舞台は日本酒バー、マスターと常連二人の厄年トリオの話す事件を、女子大生桜川東子が謎を解く安楽椅子探偵スタイル。正に4重構造の他の人では作れないであろう、とんでもミステリなのだ。日本酒の蘊蓄も料理も毎回楽しみであり、最後の演出にてフッと蝋燭の火が消える如く、物語が終了するのも気持ちが良い。2017/03/29

aquamarine

73
日本酒バーでの連作短編です。厄年トリオが提示する未解決事件をグリム童話に絡めて美人女子大生が綺麗にアリバイを崩して解決します。「本当は恐ろしいグリム童話」のような童話の変わった解釈には毎回驚かされますが納得させられてしまいます。トリオの昭和のいろいろな雑談が自分の年齢より上の時代で分からなかった部分もありましたがそれもそこでおじさんたちの雑談をきいている感じで楽しかったです。でも、実は一番気になったのは毎回出てくる日本酒と肴…。今すぐ行くから仲間に混ぜて~!シリーズのようなので続きも是非読みたいです。2015/05/31

スター

67
面白かったです。あまり本を読んで笑うことはないのですが、この作品は、登場人物同士の軽妙なやりとりが楽しく、何度も笑ってしまいました。 ただ、基本的には真面目なミステリで、馬鹿げたトリックを使っているとか、そういうわけではないです。 九つの短編が収録されており、どれもがグリム童話をモチーフにした作品です。 いずれも殺人事件ばかりで、犯人らしき人物に鉄壁のアリバイがありますが、事件の概要を聴いた大学生の桜川東子が毎回、名推理で、アリバイを崩してゆくというパターンの物語になっています。2019/02/10

はらぺこ

63
酒を飲むほど推理が冴えるアリバイ崩しの桜川東子がグリム童話の新解釈になぞらえて事件の謎を解く話。 酒の蘊蓄、子供の頃の遊び、なつかしのテレビ番組やタレント、懐メロなどの話が日本酒バーで語られるので、厄年トリオと同じく2000年前後にアラフォーやった人ならド真ん中やと思います。 最終話だけ少し違うのですが毎回最後にマスターが「なんだか表にねずみの鳴き声が聞こえたぜ。今日はもう店じまいだ」と言います。何かの引用なのでしょうか?2012/04/24

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