九つの殺人メルヘン - 連作推理小説

個数:1
紙書籍版価格
¥680
  • 電子書籍
  • Reader

九つの殺人メルヘン - 連作推理小説

  • 著者名:鯨統一郎
  • 価格 ¥660(本体¥600)
  • 光文社(2012/09発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784334736934
  • NDC分類:913.6

ファイル: /

内容説明

彼女がワイングラスの日本酒を呷(あお)ると、確実なはずのアリバイが崩れ出す――! 渋谷区にある日本酒バー。金曜日に現れる日本酒好きの女子大生・桜川東子(さくらがわはるこ)が、常連の工藤(くどう)と山内(やまうち)、そしてマスターの“厄年トリオ”と推理する九つの事件。グリム童話の新解釈になぞらえて、解き明かされる事件の真相とは!? 興趣(きょうしゅ)あふれるバー・ミステリー珠玉集、華やかに登場!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

セウテス

73
桜川東子シリーズ第1弾。鯨統一郎氏らしい9連作短編集。グリム童話の解釈をベースに、殺人事件のミステリが展開する。しかも驚く事に、有栖川有栖氏が「マジックミラー」内で語っていた9つの密室の形を、1作品毎全て使用しているのだ。舞台は日本酒バー、マスターと常連二人の厄年トリオの話す事件を、女子大生桜川東子が謎を解く安楽椅子探偵スタイル。正に4重構造の他の人では作れないであろう、とんでもミステリなのだ。日本酒の蘊蓄も料理も毎回楽しみであり、最後の演出にてフッと蝋燭の火が消える如く、物語が終了するのも気持ちが良い。2017/03/29

aquamarine

72
日本酒バーでの連作短編です。厄年トリオが提示する未解決事件をグリム童話に絡めて美人女子大生が綺麗にアリバイを崩して解決します。「本当は恐ろしいグリム童話」のような童話の変わった解釈には毎回驚かされますが納得させられてしまいます。トリオの昭和のいろいろな雑談が自分の年齢より上の時代で分からなかった部分もありましたがそれもそこでおじさんたちの雑談をきいている感じで楽しかったです。でも、実は一番気になったのは毎回出てくる日本酒と肴…。今すぐ行くから仲間に混ぜて~!シリーズのようなので続きも是非読みたいです。2015/05/31

はらぺこ

62
酒を飲むほど推理が冴えるアリバイ崩しの桜川東子がグリム童話の新解釈になぞらえて事件の謎を解く話。 酒の蘊蓄、子供の頃の遊び、なつかしのテレビ番組やタレント、懐メロなどの話が日本酒バーで語られるので、厄年トリオと同じく2000年前後にアラフォーやった人ならド真ん中やと思います。 最終話だけ少し違うのですが毎回最後にマスターが「なんだか表にねずみの鳴き声が聞こえたぜ。今日はもう店じまいだ」と言います。何かの引用なのでしょうか?2012/04/24

瑞佳

47
夜眠る前にお布団のなかで1日1話ずつ読む。という、幼子が毎晩母親から読み聞かせをしてもらうような趣向で楽しみながら読んだ。大人のひねたメルヘン。お伽噺になぞられた動機と九つのアリバイ。日本酒バーで美味しい肴と愉快な仲間たちによるサイコーの与太話。いえ、ディスカッション。これはたまらない。1話目から胃袋とハートを持っていかれ、すっかり物語の虜に。あの絶妙のノリ突っ込み、反則やわ。けっこうなムチャぶりトリック連発だけど、酒の席なら大いにアリやね。さらっと辛口で締めるラストも粋。2017/09/02

ヒロユキ

46
ひとつひとつの話は面白く、童話の解釈も興味深く読めました。童話+アリバイ崩し縛りの構成のため途中単調に感じました。ただそれすら第九話への伏線なのかも知れないですね。厄年トリオの昔ネタはほとんどわかりません(笑)2012/03/02

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/556533
  • ご注意事項