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内容説明
「思想」というものは、私たちの生活に必要なのだろうか?あるいは、思想や哲学が、今のこの状況下の私たちに、果たして有効な何かを示唆してくれるのだろうか?本書では、日本の各方面で活躍中の知識人を片っ端から取り上げて、彼らの思考・表現活動が、いったいどれだけの意味をもち、一般読者大衆にどれだけの影響を与えているのかを考え、「ふつうに暮らすふつうの人びと」の立場から「思想・哲学」を問いなおす。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
NICK
13
確かに思い返してみるとデリダやフーコー、ドゥルーズなんかが自分の実生活で役に立ったかというと甚だ疑問だし、そもそも理解ができているわけでもない。そんなインテリ好みな「思想」など浮世離れした空虚なたわごとにすぎないんだ、とほとんど罵倒に近い形でばったばったと切り捨てていくさまは笑っていいやら憤っていいやら。高踏な「思想」が説く空虚な「〜〜であるべき」というような理想ではなく、才能も金も運もない「ふつう」の人として無意味な現実をそれでも生きるべき、というのはまさに生活に根ざしてもいるし現実的ではあるが……2015/09/25
おおにし
10
処分前に再読。2004年刊。この頃はまだニューアカの余韻が残っていたのかしら。今では思想なんか"知らない"生活でしょうね。そうそう、この本で「沖仲士の哲学者」エリック・ホッファーという人を知ったことを思い出しました。2016/05/06
こにいせ
6
知識人・評論家もきらい。本なんか読んで偉ぶってる(もしかしたら私のようなやつも)もきらい。みんな実はバカなやつ。という強烈な「厭味」の奥底には、「ただふつうにいきる、知に寄り添い生きる」ことを求め続けた著者自身の誠実な思いだけがある。インテリへの罵倒にケラケラ笑いながらも、その人生の無意味さから決して逃げない姿に心を打たれてしまう。読者の知的土台をぶっこわして、「知」の再認識を促してくれる、優れた本。2010/05/15
ミツ
5
タイトルにつられて。挫折したインテリによるインテリ批判、思想批判書。「思想なんかいらない」の前には“少なくとも私には”という言葉が抜けており一般性は無く、他人を批判しているはずなのにそれが全部自己批判にしか聞こえない例の典型で、なおかつ批判というよりも悪口、言い掛かり、揚げ足取りに近く、更にそれに居直ってる感があり、内容も「インテリ共は訳がわからん難しい言葉を使って俺をバカにしやがって!許せん!」という感じで久しぶりに不毛な読書をした。 但し5章以降は割といいこと言ってたと思う。2010/10/04
スズツキ
3
いきなり「『海辺のカフカ』という村上春樹の出来のよくない小説がある」とか書かれてて吹きそうになったが、それ以上に過激なのが題名通り思想家たちへの斬りかかり。前日に読んだばかりの柄谷行人なんか、それはもうバッサリと斬られている。それでも憎しみを感じさせないところが、うまさというか何なのか。2015/03/17
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