角川文庫<br> 中空

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角川文庫
中空

  • 著者名:鳥飼否宇
  • 価格 ¥682(本体¥620)
  • KADOKAWA(2013/09発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784043731022

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内容説明

何十年に一度、開花するという竹の花。その撮影のために鳶山と猫田は、大隅半島の南端に近い竹茂村を訪れた。そこは老荘思想を規範に暮らすひなびた七世帯の村だった。村人は二十年前に起きた連続殺人事件の、再来におびえながら過ごしていた。そして、怖れていた忌まわしい殺人事件が次々と起こる!! 閉鎖された村の異質な人間関係の中に潜む犯人とは!? 横溝正史ミステリ大賞優秀賞を受賞の本格ミステリ。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Bugsy Malone

68
たった七世帯の人々が老荘思想を規範に暮らす閉鎖的な竹茂村。開花した竹の花の撮影に向かった鳶山と猫田はそこで連続殺人の只中に。物語はワトスン役の女性カメラマンの猫田の軽妙な一人称で進むので、設定や陰惨な事件の暗い印象も程々薄まり、それも著者の技量なのかと思える。特別大掛かりなトリックを仕掛けている訳ではない、「荘子」を根底に錯誤と逆説、そして一筋では行かないひねりを加え、物語を非常に面白いものにしている。これが著者のデビュー作。初めて読んだ著者の「昆虫探偵」が面白い訳だ。2017/05/14

mihya

52
老荘思想がさっぱり分からないのが読み進めるのの邪魔をする。 しかも何故だか、たった12人の名前を覚えるのが難しかった。最初から人の名前の部分はマークをつけていたのだが、何度、戻ったことか。その上、まんまとミスリードに嵌り、最後まで「これ誰?」を繰り返すことになった。 でも老荘思想の特殊な集落という部分を差し引いても、仕掛けとしては面白かった。2023/02/05

ヒロユキ

39
終盤の多重解決、第一第二の推理は普通すぎて拍子抜けしたけど本物の解決は見事でした。特に鳶山さんの一言には衝撃が、まぁそれすらも騙されたわけだけど(笑)閉鎖的な世界で巻き起こる事件、荘子や竹取物語、竹自体の蘊蓄もよく絡んできて非常に読みごたえのある一冊でした。2012/06/23

瑞佳

30
ヒロインの語り口がとても軽快でさっぱりしてるので、舞台は同じようでも横溝先生みたくじめじめとぬかるんだ雰囲気は感じなかった。でもってネコさんのせいですっかり勘違い。ンもう!物語全体に荘子に関する薀蓄が散りばめられ、そこに竹林の静謐なイメージが重なり合いとても趣きがあった。「かぐや姫」の考察もおもしろかったナ。また本作とは関係ないんだけど、閉鎖された山里と竹の花で、のがみけいさんの漫画『竹の秋』をふと思いだして読みたくなった。ふ、古い。それと登場人物の名前がややこしくて最後まで覚えきれなかったよー。2016/10/11

カノコ

24
老荘思想を規範に暮らす、竹林に囲まれた閉鎖的な村。竹の花が開くときに、殺人事件が起こる。文句無しに面白い!横溝ミステリ大賞も納得の、抜群の雰囲気が堪らなく好き。老荘思想や竹の話はややペダンティックだけれど、文章は読みやすい。読者を翻弄する謎解きのどれもが魅力的で、何ともしっかりとしたミステリだった。鳥飼さんの作品を読むのは初めてだったけど、これがデビュー作なら他の作品も楽しめそう。「中空」というタイトルも暗示的で良い。真相も信仰も、柔らかくしなやかに、折れないのだ。2016/07/16

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