内容説明
エレノーとその婚約者デイヴを乗せ、車はロンドン郊外を走っていた。つい昨日まで、2人で興したコンピューター機器設置業の会社は、次の仕事の予定もなく倒産の危機に瀕していた。それが、資本家ロバート・キャリントンの登場で状況は一変したのだ。依頼条件はただ1つ、仕事が終わるまで彼の屋敷で生活すること。名高い資本家の彼が、どうしてこんなに小さな会社を選んだのかは謎だが、とにかくおかげで窮地を抜け出すことができた。鉄製の門をくぐり5キロほど走ったところで、ようやく屋敷が姿を現した。年月を経て渋い色合いを醸し出す石壁、煙突の先に見える彫刻――そのとき不意に、エレノーは不可解な既視感(デジャヴ)に襲われて息をのんだ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
糸車
4
日をあけてからじっくり読むとまた違った部分に目がいく。最初からヒーローはいい男だと思っていたけれど、傲慢じゃなくて人の気持ちに寄り添えるのがすごい。ヒーローの元婚約者やヒロインの婚約者に容赦なかったのは納得できる立派な理由があったし。無理強いせず優しく、でも情熱的に間を詰めてヒロインの心をつかむ手口にくらくら。知りたいことを人任せにせず、時間をかけてきちんと事実関係を確認したのも高評価。(ここ大事。ハーレでお定まりのいい加減な調査とは大違い!)よかったね、ヒロイン。このヒーローなら、大切にしてもらえるよ。2014/01/15
akiyuki_1717
2
ヒーローが傲慢なのかと思いきや、思慮深い良い人で、読んでる途中に何度か引っ掛かると思っていたことが、最後で一気に解決してスッキリでした。しかし、ヒロインの婚約者と、実母の残忍さにはあまりに酷かった。まぁ現実でもこういうことはあるのだろうけれど、ヒーローはもっときちんと制裁を下すべきだったのではないかと思えた。まぁ自分が下さなくても、いずれは落ちると先見の明があるんだろうけどね。ずっと不幸だったヒロインがこれからはヒーローが幸せにしてくれると疑いなく思える作品でした。2020/04/15
くろうさぎ
2
はっきり言ってデイヴとトニーという夫婦はひどすぎます。犯罪者です。もっと罪を償わせて~~~!2009/06/16
糸車
1
ヒーローは優しい、思いやりのある男性。どうみてもヒロインを利用するつもりの婚約者からもらった安物の指輪を失くしたときに、懸命に探してくれる。ヒロインにとって「初めて誰かから必要としてもらえた」象徴の婚約指輪。(この婚約者は本当に最低!イライラさせられた)ヒーローはヒロインが好きなんだし、本当なら、そんなもの捨ててしまえって言ってもいいくらいなのに、彼女の気持ちを思いやってくれる。誠実で、孤独なヒロインが幸せになれて、よかった。2013/04/10
こえん
1
ヒロインと共同経営者の関係についての読後感が悪かった、あれはきちんとしてもらわないとダメだわ~。2009/10/07




