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内容説明
ようやく再会したヒースクリフと瀕死のキャサリンは狂おしく抱き合った.その夜,キャサリンは女児を出産,いれかわるように死に,遺された子は母の名をとってキャサリンと名付けられる.アーンショー,リントン両家は第三世代に移り,ヒースクリフは次々と両家を支配してゆくのだが….新訳.(全2冊完結)
目次
目 次
第 一 章
第 二 章
第 三 章
第 四 章
第 五 章
第 六 章
第 七 章
第 八 章
第 九 章
第 十 章
第十一章
第十二章
第十三章
第十四章
第十五章
第十六章
第十七章
第十八章
第十九章
第二十章
解 説
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
青乃108号
149
遂に読み終えた。正直、呆然としてしまって書く事が思い浮かばない。まさに圧倒的なヒースとキャシーの一大悲恋の物語だった。ヒースの壮絶な最期の、その死に顔、表情が全てを表している。長大な物語で様々なエピソードが語られるが、結局のところこの世の森羅万象はたいして重要ではなく、というか嫌な事ばかりでともすればいがみ合い罵り合い、つまるところ真の安らぎは死後の世界にこそある。俺は厭世感でいっぱいになった。兎に角、これは大変な作品なので生きているうちに読んでおくべき一冊である事は間違いない。2023/11/30
のっち♬
111
ヒースクリフの復讐の矛先は子供の世代にも向けられ、二つの家の財産を悉く奪取していく。粗暴で非道徳的な性質を見せつつも長年に渡る復讐計画を実行する冷静さを持ち合わせている点が彼の不気味さだが、「お粗末な結末」に対する戦意喪失などには憎しみを原動力にすることでしか生きられないその悲劇的な宿命が現れている。「この世はすべて、かつてキャサリンが生きていたことと、おれがあいつを失ったことを記したメモの膨大な蓄積だ!」—人間の愛憎の極限を徹底的に追求した末に、地上で魂が結ばれる幕切れから著者独自の死生観が読み取れる。2017/08/08
ベイス
88
あまりにも不条理な展開すぎて引きつつも、先が気になる気になる。美しい人間性が急に発露したり、イヤイヤそこまではいくらなんでもと突っ込みつつも、1%だけ共感できたり。自らの生命をありったけこの作品に注ぎ込んだのか、30才で夭折した作者の魂にも触れたような読後感。それにしてもヒースクリフとは何者だったのか。彼の出自、幼少時代、なぜ連れてこられたのか、どこかで説明がくるのかと思って読み進めるも、同じ疑問をネリーに抱かせて終わるとは…最後までエミリー・ブロンテの手の平の上。それも全然悔しくないんだよなぁ。2023/03/09
ペグ
63
ずっと気になっていた(嵐が丘)!登場人物達のエゴイスティックで直截的な言葉のやり取り、暴力に辟易しつつ、その後に目が離せず読み終えました。愛と憎悪、暴力と恐怖、それらを約20年に渡り見聞きし世話をしたネリーが語り、借家人のロックウッドが私達読者と同じ目線で語る。語り手が2重構造になっていることによって、この物語が深みを増しているように思いました。ゴシックロマンの傑作!面白かった〜‼︎2016/10/22
スプーン
62
どうしようもない人たちが繰り広げる、 どうしようもないドロドロ愛憎劇。 ワイドショー並みの内容に辟易しながら読んでいたが、 ラストになって物語は一変する。 なんと物語に「愛の光」が差し込んでくるのである。 その愛の光は、すべてを包み込み、すべてを浄化して、物語は終わる。 「たとえどんなにドロドロした人生でも、生きる価値はある」 そう思わせてくれる読書だった。2020/02/25