角川文庫<br> 終業式

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角川文庫
終業式

  • 著者名:姫野カオルコ
  • 価格 ¥638(本体¥580)
  • KADOKAWA(2013/09発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784041835111

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内容説明

かけがえのない、高校生だった日々を共に過ごした四人の男女。テストにやきもきしたり、文化祭に全力投球したり、ほのかな恋心を抱いたり――。卒業してからも、ときにすれ違い、行き違い、手さぐりで距離をはかりながら、お互いのことをずっと気にかけていた。卒業から20年のあいだに交わされた、あるいは出されることのなかった手紙、葉書、FAX、メモetc.で全編を綴る。ごく普通の人々が生きるそれぞれの切実な青春が、行間から見事に浮かび上がる姫野文学の隠れた名作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

りゅう☆

108
全文手紙形式。最初はなかなか頭に入らず苦戦したが、途中から様々な出会いからの展開が気になり夢中になって読んだ。4人の高校生の手紙から始まる。大人から見れば他愛ないことでもあの頃は一大事。そういうのを積み重ねて大人になっていく。卒業後は進学、浪人それぞれの道へ。自分や友人の変化を感じたり、出会い別れ、就職、様々な恋愛を経験して、悩み迷いながら大人になっていく自然な過程に共感や懐かしさあって、すんなり自分に入ってきた。結婚、離婚など散々遠回りしたけど、繋がりあるみんなが落ち着くとこに落ち着いてよかったかなと。2017/03/08

ちょこまーぶる

97
読後は「人生って読めないな」と思った一冊でした。手紙・葉書・FAXなどの書面のやり取りだけで数名の高校時代から20年余りの関係を表した作品ですが、普段他人の手紙などの内容を観ないから、何かスリリング?と言うか背徳感?というか、何とも言え無い感情を共有しながら読み進めましたね。そして、それぞれの人生がすんなりとステップアップしていく人などはいないわけで、みんなもがき苦しみながら生きていくという姿も見た思いです。で、友人達との距離感の大切さも表現されていましたね。まだ生きていくわけだから終業式はまだ先です。2018/06/18

優希

96
物語の全てを手紙、FAX、メモなどでつづっていました。全てが登場人物の言葉だからこそ、伝わってくるものがあります。文字にして語られた言葉にはその文面の裏に隠された想いもあったことでしょう。投函できなかったものなどもあり、切なかったです。手紙を書くことも少なくなった今だからこそ、新鮮に読むことができました。2015/10/09

ひろちゃん

84
あるあるあるあるある!と激しく共感した一冊。青春時代の問題はたいしたことあるなあ。月日が流れるとたいしたことないように見えるけど、たいしたことある!と思った。みんなそれぞれのジレンマからとりあえず抜け出して、学年が変わっていく大人の話。2016/07/27

さおり

70
あーあ、共学を出たらあとあとまでこんなに色々あるわけなの?知らなかったからうっかり中高一貫の女子校出ちゃったよー。私より少し前の世代の人たちのお話だったから、その時代のはやりな言い回しとか人の名前とか出てくる言葉がわからないことが多くて、調べつつ楽しみました。私も手紙、書いたなー。そして、同じくらい、もらったなー。筆まめだったからなー、若き日の私。なんか、私の中にある、いろんな気持ちを思い出した。正直、帯があんなに煽って来なければ、もっと楽しめたと思う。プチっと残念。2014/07/18

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