内容説明
嫁入り道具の絵巻物を担保に、大名家が古本屋に金を借りにきた。目利きを頼まれた御書物同心の丈太郎は、極彩色の春画にうろたえる。一方、将軍家の書物を管理する御文庫では将軍遺愛の本が紛失した。書名を聞いた途端、丈太郎は驚愕する。そして「事件」は意外な展開をみせた・・・。江戸情緒あふれる連作集。(講談社文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Satton
14
今回も盛り上がりには欠けるものの、ほのぼのとしたストーリーとなっておりました(笑)この本に出てくる人達はみな相手を気遣う心を持っていて、読んでいて癒されます(*´u`*)最後の話「蓮実」で出てきた油畑さんの人となりはあまりわかりませんでしたが、3作目では何か展開があるのでしょうか??主人公の身辺調査もされていたようなので次の縁談も気になりますね! 2018/03/21
KAZOO
14
最近時代物にはまってしまっているのですが、この本もまさしく私の好みに合うものです。江戸時代の御書物文庫にかかわるものでそもそもこのような職場があったということからしてこの著者の経験が生きていると思っています。また江戸時代の風俗や食べ物なども出てきてよく調べられていると感じています。2013/11/29
タツ フカガワ
13
将軍家の書庫である紅葉山文庫の蔵書目録が市中に出回ったり、預かった春画がすり替えられたりと、前作より事件性が増したようで、さらに楽しめました。ただ、終章「蓮実」で登場する丈太郎の叔父千之丞が魅力的なキャラクターでしたが、本編には絡まなくてちょっと残念でもありました。2018/05/04
蕭白
11
学校で学ぶ歴史だけでは知ることのできない世界のことを知る機会にもなって、一粒で二度おいしいって感じです。2014/08/30
やまゆ
8
だんだん面白くなってきた。時々町人のふりで出掛ける丈太郎さん、のんきなサラリーマンみたいです。江戸時代の心配りが、今の時代にももっとほしいですね。2015/10/08