内容説明
二階の志士たちが総立ちになる気配がした。近藤につづいて永倉、沖田らが階段を駆け上がった。新選組五人対二十人、その名を世に轟かせた池田屋騒動の始まりであった。江戸・試衛館に集った名もなき男たちが、幕末の動乱に自ら飛び込み最強の刺客集団が誕生する。近藤勇、土方歳三らの少年時代から血塗られた絶頂期を描く森村版「人間」新選組である。《全二巻》
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
桜📕のベルズ
12
時代小説、またまた新選組について。 前に読んだものよりも新選組の発足やどんな時代を生きているのか、隊士たちの思い等細かいところまで描かれています。勿論、歴史的な事件についても記載があり、どのようなことがあって起きたのか知ることができました。 後半も気になるところです。2020/11/23
ちびごん
9
新選組を中心とした幕末のお話。慶喜さんや家茂さんのことなどフィクションを交えながら進む。幕末は誰を主人公に持ってくるかで見方が変わるので思いっきり新選組寄りの話でも良かったなぁ。目線がちょっと曖昧。ただ、池田屋襲撃の描写は場面が目に浮かぶようで凄かった。下巻につづく。2016/10/26
砂希ちま
6
浅田次郎や司馬遼太郎と違い、森村誠一の土方像は冷酷な人でなしでした。他の作品が美化しすぎているだけなのかしら。ちょうど、土方歳三資料館では、愛刀の和泉守兼定が公開されています。ファンとしては「行かねば!」という気持ちでしたが、読後は萎えてしまいました。沖田総司みたいなキャラだったらよかったのに。2017/05/08
AshuraDam
3
新選組を中心にみた幕末期って感じ。新選組をカッコ良く描きたいのか、汚い奴らとして描きたいのかが分からなかった。土方はじめ多くの登場人物のキャラがとてもブレている。史実とフィクションのバランスが取れてなかった印象。新選組の歩みを振り返る意味では良い作品だと思う。2013/02/02
Eiji
1
森村誠一が新選組?という訳で買った本。幕末の主要な事件はすべて詳細に描かれており、単純に新選組を知りたいのなら、ちょっと食傷気味になるかもしれない。しかし、逆にすべての事件が分かるので、幕末という時代を俯瞰しながらも詳細を知りたいのならピッタリかもしれない。 2004/03/30