内容説明
アメリカ・ペンシルベニア州で、夫婦の冷凍死体が発見された。5歳の息子は行方不明のまま、事件は迷宮入りする。一方、日本では、異常な兆候を示す少女がいた。数年後、恋人を亡くし、重度障害児施設に赴任した女医・志度涼子は、保護室に閉じ込められた少女に出会う。そして、運命の歯車は容赦なく回り始めた。人類という種が背負った哀しい宿命を、壮大なスケールで描いたヒューマン・ミステリ。第20回横溝正史賞正賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ネギっ子gen
48
“岡田尊司”として「愛着障害」関連の新書で有名な精神科医による別名義でのミステリー小説。第20回横溝正史賞受賞。 猟奇的なオカルト・ミステリーとあるが、 さほどオカルトっぽくは感じられない。確かに人は次々死ぬが……。ヴェトナムから始まり、沖縄本島近海、アメリカ、日本と飛び、 オムニバス式に話は進んで行き、誰が主人公かもわからない。 にもかかわらず、ぐいぐい読ませる筆力には脱帽。 まずは、ピーター・スネルの魅力。主人公ではなくても、キーパーソンになるかなと。 亡き妻の話はぐっとくる。この小説、ラストが良い。2019/11/17
はらぺこ
35
解説に引用されてる横溝賞の選評を見ると皆さん絶賛されてるので良い作品なんでしょうね。でも自分には合いませんでした。まだまだ読書レベルが低いです。 志度涼子って意外に惚れやすい体質なんやなぁと思いました。 2017/07/16
うさうさ
27
遺伝学的なテーマを壮大なスケールで描いた作品。難解な医学や科学用語、解説に何度も挫けそうになりつつも、それを上回る面白さで、中盤から大作を一気に読了。真相が分かってゾッとした。この作家さんはどんどん読んでみよう。2018/01/06
ゆんこ姐さん@文豪かぶれなう
27
Kindleにて読了。難しいんだけど面白かった。でも内容が難しすぎてうまく感想が書けない…。ある一人のモンスターの物語、だろうか。アメリカ、ベトナム、日本の三次元で物語が構成され、それが交わっていくとともに真相が次々と明らかになっていくのは読んでいて爽快感があるが、この人の小説はいつもラストがなんとも哀しい。読後感は悪くないのだが、少しの切なさが残るそんな小説。2015/05/19
りえこ
15
はー怖かった。人、死にすぎで、専門用語が多すぎなのには辟易した。でも、続きが気になって読むのをやめられなかった。そして、最後には衝撃の事実が。うそやろ(´Д`|||)2017/08/18
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