内容説明
鉄道でどこかに行くことだけではなく、鉄道に乗ることそのもののたのしさが分かる1冊。東海道、関東、近畿、九州、東北など、その土地ごとの路線の乗りこなし方と、逃したくない見どころ、地方線ならではの味わいなどを紹介。また、時刻表の読み方や、路線の歴史、ちょっとした雑学などをひもときながら、これからはじめて鉄道旅行をたのしみたいという人にも分かりやすく、その魅力と奥深さを伝えます。
目次
鉄道旅行のたのしみ(東海道の巻 関東の巻 近畿の巻 山陽・四国の巻 九州の巻 北陸・山陰の巻 中央・上信越の巻 東北の巻 奥羽・羽越の巻 北海道の巻 東日本私鉄の巻 西日本私鉄の巻)
駅は見ている(名古屋駅 新宿駅 天王寺駅 高松駅 直方駅 米子駅 塩尻駅 青森駅 新庄駅 岩見沢駅)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みやけん
30
★★★★☆当時はまだ大社駅も現役。名鉄の新名古屋駅の発着・塩尻駅もっと見ておけば良かったな。今度直方駅に当時の痕跡を探しに行こう。台湾に日本の新幹線が走るとは予想もしなかっただろうなぁ。2017/11/30
ゐづる
17
日本各地の鉄道の見どころを、宮脇俊三さんの名文でたどる本。30年ほど前の話なので、多少廃止路線や新線切替などありますが、基本は変わっていません。個人的にはスイッチバックとループが好きなんですが、和歌山線のスイッチバックなど、全然知りませんでした。最近まで残っていたので乗ればよかった・・・とはいえ、まだまだそういう場所はあるから、残ってるうちに急いで乗りたいとおもいます。2014/01/18
浅香山三郎
15
1986年の集英社文庫の再文庫化。新潮文庫のシリーズに入つてなかつたから、今迄読んでなかつたのかも。前半の「鉄道旅行のたのしみ」では、国鉄時代の各線の魅力をやや駆け足で語り、後半「駅は見ている」は名古屋、新宿、天王寺、高松等の大きな駅のほか、米子、塩尻、青森等の地方の駅の表情を描く。後半が断然味はい深く、とくに天王寺駅が面白かつた。1983年頃の阪和線ホームの延長や、今はなき天王寺うどんの活気、駅のホームレス対策についてなど、昔の天王寺駅の雰囲気がよく伝わつてくる。2019/04/15
saga
15
鉄道旅行を“路線”と“駅”の視点から書いた一風変わった紀行文。路線では、いつもの著者であれば出発駅から到着駅までの列車時刻を克明に記すのに反して、大きく紹介する地方の路線名を辿る手法を採っている。路線間の接続の良し悪しを論ずるのではなく、その地方の地史・歴史に目がいくような紀行も有りなのだと思わせてくれる。一つの駅だけを取材した紀行文は珍しいと思う。その駅の始発から最終までを見ながら、様々な人間模様、歴史などを綴る文章に、あらためて感心させられた。2013/06/23
広瀬研究会
6
この本を読んでると、ダーク・ダックスかなんかのコーラスで『遠くへ行きたい』が頭の中を流れてくる。僕らが昭和50年代に戻れないように、宮脇さんの旅も過ぎ去った時代に思いを馳せるような筆致で描かれているから、古びないというか、現在の読者の胸を打つことができるんだろうな。2015/11/01