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内容説明
戸川ゆり子、23歳。大学の音楽サークルで、バンドのボーカルとギターを担当している。カラッとした性格の彼女は、後輩の男の子たちに慕われる人気者。だがその頼られまくりの状況がイヤになり、あっさり大学を辞めてしまった。かといって、その後の生活のあてはない。半年後、久しぶりに出掛けた商店街のライブハウスはつぶれており、そこで偶然再会した以前のバンド仲間・藤井も金髪・ツンツンのパンクヘアーを、ごく普通の髪形にして就職活動をしていた。さらにアパートに帰ると、なんと火事で丸焼け。24万円したギターもアンプも、通帳も印鑑も全部灰になってしまった。土手に寝ころがって呆然とするゆり子。そんな彼女の前に、ゆり子を心配して探しに来た藤井がやって来た…
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぽん乃助
13
浅野いにおの初期の短編集です。どの話も、なんとか前を向いて、生きることに執着しようとする主人公の姿がたまりません。浅野いにおらしい、こじらせた感じがありつつも、展開が素直で直近の作品よりも読みやすかったです個人的には、短編集は、引き込ませるワンシーンがある話が好きなため、「森のクマさん」と「白い星、黒い星」が好きでした。特に後者の話の最後の構図はすごいなぁとただただ感嘆しておりました。2015/09/10
九鳥
12
第2回いにお祭り。大学や会社をドロップアウトしたり、バンドや漫画や博打のような夢を捨てられなかったり、そういうヤンキー成分って結構みんな持っているんだと思う。最初の話が好き。ナイスガメのテポドンいいよ。2009/09/21
きんぎょっち
9
面白くなかった。軽い作風が持ち味のようなので、シャレた青春モノにすれば良かったのでは。世相や死を絡めた青春モノにしたかったのだろうが、キャラクターはみな類型的で現実感がなく浅いし、ストーリーもどっかで見たようなものばかり、オチもありきたりで力不足だ。軽い空気感という作風を生かして、明るい話を描いてはどうかな。2019/03/31
翔亀
9
この作家22才の時の本格的デビュー作。コミックスとは、とんとご無沙汰だったが、過労で頭も体もくたくたの折、読メで書名が目について、ちらっと眺めたらたちまち惹き込まれた。あらゆる可能性が開かれているはずの青春時代における挫折と希望というよくある題材だが、屋上・跳躍といったモチーフを詩的にちりばめリリカルに語った良質な短編集。下巻は未読だが、郊外都市の群像劇として全体がまとまる、連作集になると面白いかも。いずれにせよ、私の普段の読書傾向からは、たどりつけない作品を教えてくれた読メに感謝■842013/12/08
多田幾多
9
生きていれば、辛い事や悲しい事がおこる。それは当たり前だ。でも、いつかは、本当に「素晴らしい」と思える日だってくるはずだ。今までの辛い事や悲しいことが、笑い飛ばせるほどの「素晴らしい」日が。2013/04/01