内容説明
役者と謀って男を毒殺し、「夜嵐」の異名をとった原田きぬ、古着屋を殺し、大金を奪った高橋お伝、大逆事件で幸徳秋水らと共に逮捕された菅野すが子。毒婦、悪女、妖婦などと決めつけられた美貌の女たち。本当に彼女たちが悪かったのか? 偏見に立ち向かい、文明開化期の影の部分を鮮やかに浮かび上がらせる連作。
目次
夜嵐おきぬ
毒婦の伝説
実説箱屋殺し
黒き運命の矢
虚栄の令嬢
美貌に罪あり
モルガンお雪
妖婦歌子
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ryuka
2
『夜嵐おきぬ』だけがお目当てだったのですが、すごく読みやすくて結局全部読んでしまっていました。彼女たちこんな思いをしながらも当時生きていらしたのですね。 『妖婦に位置づけられた女性が、妖婦に仕立て上げることになったのは周りの男のせいだ』と筆者は言い、明治期の悪女伝説に推測を混じえて解かれています。ただお一人、私には悪女にしか思えない方もいらっしゃいましたが、新聞や噂話での彼女たちの見られ方は許し難い内容ばかりでした。 次機会があれば違う作品も読んでみたいです。2015/04/28
Toshiko Hirose
0
明治から大正のころの女性で、殺人事件に関わった人やスキャンダラスにマスコミから取り上げられた人を、東京日日新聞、「警視庁百年の歩み」、東京朝日新聞、大阪毎日、大阪日報、万朝報、平民新聞などから探し出して紹介している本。いわゆる労作ではあろう。妖婦とあるが、それは報道がそう書いただけで、実際は報道に誤りがあったケースも少なくないように見えた。2022/05/04
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