内容説明
いったいこの国はどうなっているのか? 旧いシステムはそこから生み出される問題を解決できないし、超えることもない。気鋭の社会学者・宮台は、市民エリートの育成を呼びかけ、ロビー活動を始めた。「アホ」な官僚や政治家任せをやめ、自分たちでチェックしないと座して地獄に墜ちるしかないと危惧するからだ。敗戦・占領下の日本人の「虚脱」には飢餓にも負けない夢があった。一方、いまの日本は、あらゆる領域において戦後以上に絶望が深いと氏は断言する。では、どういうシステムを構想すべきなのか?ヒントは戦中・戦後の歴史にある。そして忘却のかなたに置かれた「アジア主義の顛末」から始めてみよう。
目次
「まったり革命」その後
市民エリートを育てよう
アジア主義の顛末に学ぶ
絶望の深さを知れ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ずっと俺のターン
21
空気に抗う。2014/10/06
たばかる
18
論壇の間で語られるポストモダンを批判し、亜細亜主義へと話をつなげる。前半は「終わりなき日常」を説明し直す。それ即ち近代の終着点であり、家族の空洞化などの機能不全は必然であるという。伝統的な道徳を保持することでそれを取り戻すことを追求する言説は、道徳的秩序を支える構造が変わっているのだから無理だ、と西部邁などを批判する。この批判の背景には筆者の実証的な調査をした経験があるそうで。世の中を大して知らず、自分の心理状況も弁えない口から出る言葉は、未熟な実存の問題を社会に投射して噴き上がっているだけだと喝破する。2021/02/21
白義
9
だいたい論壇に出てきた初期の宮台真司から、後期の宮台真司への転換期を代表する著作。具体的には、ポストモダン的な社会論への抵抗としての郊外フィールドワーク、都市的リアリティーの提示とまったり革命から、市民運動と天皇、亜細亜主義へという経路。本書ではまったり革命や一連の郊外論のその後と概観、市民エリート教育の必要性から亜細亜主義=入れ替え不可能な国体抽出への注意と言う経緯が比較的手際よく見れて面白い。基本的には初期の理論書からからどのモチーフもあったのだけど、亜細亜主義のプッシュはやはり新鮮ではある2012/08/02
Ken39
2
まったり生きる事が大事なんだね。世界はデタラメ。ぬるい失望より、圧倒的な絶望から出発してみたい。意味追求型人生は有害だ。2016/03/11
ken
2
おもしろいっす2011/08/08
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