内容説明
天才ハッカーvs.奇才ハッカー、白熱の電脳戦!
護身術のウェブサイトを主宰するシリコン・ヴァレーの有名女性が惨殺死体で発見された。警察は周辺捜査からハッカーの犯行と断定。コンピュータ犯罪課のアンダーソン刑事は容疑者特定のため、服役中の天才ハッカー、ジレットに協力を要請する。ゲーム感覚で難攻不落の対象のみを狙う連続殺人犯の正体を追え――息詰まるハッカー同士の一騎打ちが始まる!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nobby
88
再読。6年前の読書ブーム再来のきっかけとなった一冊。無差別殺人を続けるハッカー〈フェイト〉に立ち向かうは服役中の伝説のハッカー ジレット。前半は続出するIT用語に冒頭の用語解説片手に苦戦…これに嵌った記憶の過去の自分が不思議(笑)ようやく中盤から流石のディーヴァー、ハッカー同士の意地のぶつかり合いの駆け引きに夢中!誰が味方か敵か、共犯者を伏線や消去法で匂わすもその正体は圧巻!そしてラストはドキドキのアクション!少し長く感じたのはライムシリーズに慣れてるからかな…2016/10/06
セウテス
85
サイバー犯罪ミステリ。主人公ジレットはハッキング犯罪で収監中であったが、殺人を目的とするサイバー犯罪が発生し、警察に協力する事となる。サイバースペースのゲームを、現実の世界で行う連続殺人犯との読み合い騙し合いの戦いは、通常のミステリとひと味違う特別な面白さが在る。作者らしい二転三転に、息もつかせない様な目まぐるしい展開は健在で、サイバーシリーズに多大な期待も持てる。ただ私としては、自分の人生がかかっているからと言って、ルールや捜査を逸脱するジレット自身に魅力を感じない。シリーズ化なら、別の主人公が欲しい。2019/05/08
おたま
43
久しぶりのジェフリー・ディーヴァーの小説。リンカーン・ライムシリーズで味わったどんでん返し連続技は健在。今回はシリーズ外であり、扱っているのもハッカー同士の頭脳戦。刊行当時のITテクノロジーによっているが、「トラップドア」と呼ばれるハッキングプログラムや、サイバースペース(The Blue Nowhere=「青い虚空」と呼ばれる)での戦いが当時は非常に新鮮に感じられただろうし、ほとんどSFのような感じも受ける。ジェットコースター的どんでん返しは凄いのだけれど、若干やり過ぎの感がある。最後は少し食傷気味。2023/04/27
GaGa
42
2001年の作品だから、ネットワークの状況も今では変わってしまっているのだろうし、そもそもこのハッキングにリアリティがあるのかどうか、正直判らない。それなのに面白い!もう名物とでもいっていい、次から次へのサスペンス展開にページをどうしてもめくってしまう。またビショップの自宅でジレットが対話するシーンなど、温かみのある描写が時折入るのも魅力。2011/07/06
ち~
41
ハッキングで得た情報を素に殺人を犯す天才ハッカー『フェイト』と協力者『ショーン』。対抗の手段として警察は服役中の天才ハッカージレットを捜査に加えた。彼らはお互いの先を読み、更にその先を読み、更にその先を…パソコンさえあれば、そんな事やこんな事、あんな事までやってのける。出版された20年も前からすでにその危険が始まっていた恐怖。2人のハッカーの過去、ジレットと刑事ビショップ、ジレットと元妻のエピソードと読みどころも多い。ジリジリするハッカー達の攻防の末の、ラスト100ページの畳み掛ける展開が凄まじかった。2021/01/10