文春文庫<br> ねじれた絆 - 赤ちゃん取り違え事件の十七年

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文春文庫
ねじれた絆 - 赤ちゃん取り違え事件の十七年

  • 著者名:奥野修司
  • 価格 ¥825(本体¥750)
  • 文藝春秋(2013/09発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784167656416
  • NDC分類:916

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内容説明

2013年カンヌ国際映画祭審査員賞に輝いた『そして父になる』(是枝裕和監督)の参考書籍である本作は、昭和52年、沖縄で起きた赤ちゃんの取り違え事件を克明に追ったノンフィクションです。小学校にあがる際の血液検査で、出生時の取り違えがわかった二人の少女。他人としか思えない実の親との対面、そして交換。「お家に帰りたいよう」子どもたちの悲痛な叫び――。当時、女性誌の記者としてこの事件を取材した著者は、その後十七年にわたって二人の少女と家族を追いつづけ、この驚くべき作品を書き上げました。「家族の絆」とは何かを深く考えさせる傑作です。

目次

第1章 他人の子
第2章 血と情のはざま
第3章 それぞれの選択
第4章 裁かれた絆
第5章 裸足の出会い
第6章 食卓のない家族
第7章 それから
第8章 不信
第9章 壮大な実験工房
第10章 未完の結論
新章 若夏

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nyaoko

77
まさに、その時代は第二次ベビーブームだった。日本中のあちこちで赤ちゃんが産まれ、その産声はそれぞれの家族の幸せの始まりであったはずだった。人的ミスからあってはならない赤ちゃん取り違え。入学前の血液型検査によって真実が発覚した二つの家族。血の繋がりを一番に子供を親元に戻したものの、6年の空白は簡単に埋められるものではない。2人の娘を育てた智子には本当に尊敬する。親子とは血だけでも、情だけでもない。取り違えがなかったとしても、美津子は母夏子に失望し、1人で生きていたかもしれない。→→→2017/07/06

まるる

69
自分には子供はいないから当事者と同じ気持ちにはなれてないんだと思う。それでも自分が取り違えられた子供だったらと思うと心が引き裂かれそうに辛かった。病院の対応が本当に腹立たしい。心がないのかと思う。夏子さんのネグレクトも理解不能。 映画「そして父になる」も見てみようと思う。2014/03/06

*すずらん*

63
冒頭 伊佐家の母親の手記から始まる。そして次に城間家の父親にバトンが渡る。私は妙な違和感を覚えた。そして読み続ける内に、その違和感の理由がわかった。私は誰かを批判できる人間ではない。登場人物は皆被害者だ。ただ夏子がきちんとした家庭的な母親であれば、きっとこの物語りの結末は違っていた筈だ。子は母から愛されなければ、決して十分な生長を遂げることはできない。この事件の悲劇は、他方の母親が役割りを果たさなかったことにあると断言できる。私達の絆というものに血や情は関係ない。愛されたという記憶だけが、それを結ぶのだ。2013/08/16

美登利

49
赤ちゃん取り違え事件、「血か情か」そして父になるの映画の参考書籍にもなったこの本を読んで現実は、予想を超えるほど厳しい、「育ての親」の影響は、幼い頃にこそ強く受けるのだと実感しています。それぞれの父と母の育ってきた環境、沖縄の昔を知ったこともかなり衝撃的でした。取り違えられた二人の女の子がこれほど複雑な環境でさえ、逞しく生きてきたことに最後は安堵の気持ちになりましたが、読んでいる途中は、この家族はどうなってしまうのだろうと兎に角ハラハラドキドキして一気に読了しました。2013/11/30

らむり

47
良書でした。多分、今月一番。赤ちゃん取り違え事件(実話)発覚から、その子達が30歳になるまでの家族ドラマ。事件そのものより、その後の両家の環境と、取り違えれた子の成長が対象的で、とても興味深い内容でした。2013/08/29

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