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内容説明
手術不能の肺癌を宣告された医師が、患者のために、患者の家族のために遺した最後の仕事。癌と共に生きるための知恵に満ちている「一級のノンフィクション」。
目次
1月 今日から私も患者です
2月 さすがは我が父
3月 HPを作ってよかった
4月 幸せな時間
5月 QOLを最優先
6月 息子とのキャッチボール
7月 再入院
8月 四十二歳の誕生日
9月 最後の運動会
10月 至福の十分間
11月 覚悟する時
もし、私の告別式であいさつできるなら…
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
糜竺(びじく)
14
命は尊い。2021/01/28
にいにい
2
医師という立場からなのか、稲月さんの人柄からなのか、とても冷静に淡々と闘病の日々が綴られています。医療の現場や癌についての情報、医療を中心とした様々な社会問題に対する想いも率直に書かれていました。空の上から今の世の中や家族をどんな気持ちで眺めておられるんだろうと思いました。2011/10/16
Junya Nakazawa!!
1
著者は『医師』としてたくさんの病気、 とりわけ癌には並々ならぬ気持ちを持って患者と向き合ってきた。 そんな自分が肺癌にかかる。 『今日から私も患者です。』 事故で亡くなるより、インフォームドコンセントで余命を楽に過ごせるという持論のもと始まる苦しい闘病生活。 一人の患者としての心理と一人の医師としての心理が交錯するなかで、確実に忍び寄る『死』の恐怖や愛する家族への不安。 ホームページを開設する目標を持ち、 達成した直後に『その時』が来てしまう。 患者、医師、夫、父親。様々な視点から『癌』を描いた新書。2012/10/04
あおっき~
0
母が今、肺がん闘病中。ずっと共存維持に使って来た抗がん剤が効かなくなって来たようで、次のセカンドラインの選択を迫られている深刻と言っていい状況。近い将来、家族として経験するであろう事から、目を背けず、共に闘う為の参考にするために読んだ。限られた時間を冷静に生き抜いた医師の言葉がズンと響いて来た。医師目線からの健康保険制度の問題提起がされたコラムなども考えさせられた。著者は既に逝去されているが、今も、著者のHPが残されていて、患者や家族の拠り所として生きている。2016/09/23
raimu
0
冷静に淡々と事実が綴られているからこそ胸に迫ってくるものがある。闘病の記録の他に医師としての立場から「告知に関して」「代替医療に関して」「見舞いの心得」なども書かれていてとても参考になった。2013/06/10