内容説明
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江戸時代に入って士農工商から囲い出された無宿や渡世といわれた人々〔医師渡世・置屋渡世(遊郭・花柳界)・歌舞伎渡世・博打渡世・任侠渡世・渡り鳥・相撲渡世〕などの世界を、アウトサイダー集団として新たな光を当て、近現代日本の社会に流れる暗黙の規範を読み解く。
目次
宿命の民
三つの民俗それぞれの思想
金銀と美女
基軸通貨と民俗共存
士農工商の境界
士農工商からの囲い出し
美女
家の女とあばずれ
カタギのパトロン
男子の恋商い〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶつぶつ屋
2
本当の意味での士農工商という枠組みを理解していなかった。この枠組からあぶれた人達の逞しさには脱帽する。決まりきった職業を選べないからこそ、自分で既成事実として作っていく。人はどうとでも生きていけるのかもしれないという希望が持てた。2024/11/17
とまる
0
強さや美しさ、そうしたものは神話でも度々 神と人の境界を行き来するための通行手形となる。それが本書では遊女や力士を通して語られる。秀でた能力や容姿ゆえに境界に立つ民。また逆に それゆえに渡世の身から堅気の世界へ入ることができた民。力士や歌舞伎役者、花魁などといえば江戸の花形。しかし、誰もが憧れる 光を浴びるだけの存在ではない 境界民・渡世民としての一面はなかなか語られることがない。自分がイメージしていた江戸よりも、一段アンダーグラウンドな江戸の花形民俗学。2012/07/04
めめたぁ
0
渡世民族(主に遊女、博徒、相撲)を精神面から語ろうという試みは、納得のいかない部分もあったが面白かった。所々に歴史小説からの引用があり、歴史小説といえどもフィクションなので、こういう本で引用するのは不向きではないかと。2009/07/31