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内容説明
構造主義という思想がどれほど難解とはいえ、それを構築した思想家たちだって「人間はどういうふうにものを考え、感じ、行動するのか」という問いに答えようとしていることに変わりはありません。ただ、その問いへの踏み込み方が、常人より強く、深い、というだけのことです。ですから、じっくり耳を傾ければ、「ああ、なるほどなるほど、そういうことって、たしかにあるよね」と得心がゆくはずなのです。(「まえがき」より)
目次
先人はこうして「地ならし」した―構造主義前史
始祖登場―ソシュールと『一般言語学講義』
「四銃士」活躍す(フーコーと系譜学的思考;バルトと「零度の記号」;レヴィ=ストロースと終わりなき贈与;ラカンと分析的対話)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
徒花
284
最近は古代の哲学から近代・現代哲学に興味が移ってレヴィ=ストロースとかの入門書を読んでみたんだけどイマイチその意味がわからないままでいた。本書はその点において構造主義とは何ぞやというのをかなり平たく説明してくれているし、結局構造主義を主張していた哲学者が誰で、それぞれの主張にどのような意味があったのかを解説してくれている。無論、途中でどうしても難しくなってしまう部分はあるが、ほかの解説書と比べてもわかりやすいんじゃないだろうか。構造主義に連なる直前のフロイトやニーチェの思考も学びなおせる。2018/03/04
夜間飛行
150
構造主義の前提としてマルクス、フロイト、ニーチェがあげられる辺まではすいすい理解できる。ところがソシュール、フーコーと進むと、理屈ではわかるもののニーチェとの結びつきが不安になってきた。そこでフーコーの章を読みながら何度もニーチェの章を見直した。これは一度フーコーを読まないとダメかな? 現代ではフーコーを読み、その術語で語るのが研究者や院生の常識になっているらしいが、筆者はそれ自体を強制された知と言う。本書はわかり易いだけでなく、理解がまだ不十分なことにちゃんと気づかせてくれる点、まさに構造主義的である。2013/10/17
中玉ケビン砂糖
123
、「90分でざっくりと構造主義を説明」した講義ノートをもとにした入門書、マルクス、フロイト、ニーチェの思想を受け継いだ、フーコー、バルト、レヴィ=ストロース、ラカンをポストモダンの四銃士としてなるべくわかりやすく紹介している、少し読むのが駆け足すぎたかも、時々見返すようにしておきたい、、、2015/04/02
sayan
111
仕事上、ベンサムの安全保障に関する論文等を読む必要があり「功利主義」を改めて眺めていた。期せずして、本書のp.47~道徳は何の役に立つのか、という問いを功利主義者はたて、p.48あらゆる手立てを尽くして利己的にふるまい自己保存に努めるのは人間の本来の「権利」と主張する。そして、p.50において、社会契約に基づいて創設された国家に自然権の一部を委ねるほうが結果的には私利私欲の達成が確実であると判断に至った→これを、功利主義者によって想像された「道徳の系譜学」と言う。古関彰一の書籍でベンサムを再読してみよう。2015/10/13
hiace9000
110
さすがに寝ながら読めるほどの認識力や理解力はあるはずもなく、読書ノート片手に気づきと学びは都度メモしつつ内田先生の思考についていこうと。ともあれ「まえがき」がすばらしい。専門書と入門書のちがい、さらによい入門書と悪い入門書のちがいには、なるほど!目から鱗。構造主義の地ならしをしたマルクス→フロイト→ニーチェ→ソシュールあたりまでは何とか残すことは出来たか。知性という目に見えないものをここまで掘り下げて思索してきた偉人たち、むしろ人間という生き物の知の探究心に、ひたすら慄いた。一言で言うなら、スゲーな人間!2022/10/26
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