文春文庫<br> レクイエム

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紙書籍版価格 ¥523
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文春文庫
レクイエム

  • 著者名:篠田節子
  • 価格 ¥519(本体¥472)
  • 文藝春秋(2016/05発売)
  • ポイント 4pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784167605056
  • NDC分類:913.6

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内容説明

「腕を一本、芋の根元に埋めてくれ」大教団幹部の伯父から託された奇妙な遺言。痴呆の進んだ老人の戯言なのか。葬儀にきた旧友の暗い表情は何を語るのか……。答えは遠い異国の大自然に埋もれていた。衝撃的な事実が神秘の世界を呼び起こす表題作ほか、男運が尽きた女が自殺しようと訪れた地で思わぬ運の反転を招く「ニライカナイ」、夫の幼児虐待の不気味さを描く「コンクリートの巣」など、別世界への扉を開けてしまった孤独な現代人の心の闇に迫る六つの幻想短編集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

310
渾身の短篇集。6つの短篇は濃淡の差はあるものの、いずれも極めてハイレベル。作家ご本人が「感傷的なアリア」と語る「彼岸の風景」が持つ小千谷の風土感が醸し出す小説空間は圧倒的だ。篇中では「コヨーテは月に落ちる」のシュールな味わいが群を抜くが、残念ながら結末の説明的な部分は余計。シュールな小説のままで十分に自立しえているのだから。巻末に置かれた表題作の「レクイエム」の発想のもとになっているのは奥崎謙三の「ゆきゆきて神軍」だろうし、また「コンクリートの巣」はユングのグレートマザーに触発されて書かれたものだろう。2018/05/05

まこみん

91
趣の異なった6編の組曲の様な短編集。「ニライカナイ」「コヨーテは月に落ちる」は神秘的、幻想的。不思議な情景を見た女性の人生、出られないマンション迷路。「帰還兵の休日」優雅だったバブル期復活を夢見る男とホームレスの3人の老婆。「コンクリートの巣」こちらは現実的な児童虐待の痛ましさ。女の子の母への哀しい執着。ラストの表題作「レクイエム」は極限状況の伯父のおぞましく哀しい体験。その思いは形は思い通りでなかったけれど、新たな救済になり得てほんのり気持ちも救われた思い。2017/04/05

Take@磨穿鉄靴

61
篠田氏の短編集。爽快感とは無縁なじっとりとした雰囲気の6編。「帰還兵の休日」「コンクリートの巣」が良かった。不況の影響で営業成績も生活の質も下がりそこから抜け出せない苦しさはリアルに伝わってくる。努力してない訳じゃないし、むしろ以前より心血を注いでいるのに結果が出ない。これは苦しい。ある程度の年齢を迎えたアスリートなんかは歳を重ねる度に同じような事を感じるかも。切なさ要素多めの短編集。★★★☆☆2019/09/02

ざるこ

53
6篇。戦争、バブル崩壊、大病、虐待。人生を襲うさまざまな苦難。窮地に陥り死を意識した時に現れる幻。それは救いなのか黄泉への誘いか。どれも読み応え抜群。時代のうねりと共に大きく変遷する人生が濃厚に描かれ「幻」は幻覚ではなく追い詰められた者のリアルであるように感じる。10万円の手切れ金、投資、結婚、離婚。幸と不幸のループ「ニライカナイ」橋下に住む老女たちの華やかな過去「帰還兵の休日」大教団幹部の叔父の不思議な遺言が示す戦争の酷さ「レクイエム」が好き。「戦友会なんて思い出を語れる連中は本当の地獄を見ていない」2020/04/22

yumiko

49
16年程前の篠田節子の短編集。連作ではないものの、静かな哀しみや孤独感が各作品を覆っている。「コヨーテは月に落ちる」は、迷宮に閉じ込められる悪夢を見るような、幻想味の強い一作。「コンクリートの巣」には、実際に児童虐待を目の当たりにした時、自分には何が何処までできるのか、強く考えさせられた。表題作「レクイエム」は、重い読後感を残す一作。レクイエムとは鎮魂歌のこと。戦争で苦しみ亡くなった人々の魂は、どんなに時が経とうとも鎮められることはなく、次代を生きる者たちが弔い続けるべきものなのだろうと改めて感じた。2015/06/02

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