内容説明
日本を代表する「雅」の都・京都は、陰陽師や呪術僧が活躍する、呪いや怨念の渦巻く霊的空間でもあった。晴明神社、神泉苑、貴船神社……、名うての「魔界」を巡り歩くうちに、「異(い)なる者」たちが跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)する刺激に充ちた時空が蘇ってくる――そんな「魔界」発見の旅へようこそ! 読んでから行くか、行ってから読むか。
目次
1章 洛中―雅の都に「闇」が潜む(朱雀門跡 鵺大明神社 ほか)
2章 洛北―鬼と天狗が棲む異界・「暗魔」(貴船神社 鞍馬 ほか)
3章 洛東―呪い渦巻く冥府・魔道との境界(六道珍皇寺 八坂神社 ほか)
4章 洛外―奇跡を実現させる仏教以前の神々(愛宕山 清滝川 ほか)
5章 宇治・大津―妖怪たちが跋扈する京都文化圏の外縁(橋姫神社 平等院 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chiru
53
京都に頻繁に出張する人からもらった本。 京都の隅々まで知ってる人は、裏系の本を好むようになっちゃうのかも。 怖いところはさらっと読んだけど、京都の夜で想いだしたら、やだな(>_<) 2018/02/18
カナン
45
オカルトちっくなタイトルですが、妖怪にも詳しい民俗学者が京都中の歴史や逸話を紹介してくれる裏観光ガイド本。誰もが知っている名所が意外な理由で建てられていたり、何気ない通りにぞくりとする謂れがあったり、正に1200年分の歴史の重みの上に在る魔都としての京都が垣間見えます。観光スポットと呼べば聞こえは良いけれど、当時の人々が見たら、現代人はよくもまあ「あんな」場所にのこのこと行けるものだ、と思われているのかも。盛りだくさん過ぎてひとつひとつの説明は簡潔ですが、解説は京極夏彦氏ということで、非常に楽しめました。2017/11/19
芍薬
20
分かりやすい!簡潔な文章と迫力のある写真。解説が京極先生で得した気分です。2014/01/21
拓也 ◆mOrYeBoQbw
19
古典・歴史解説紀行本。タイトルに”魔界”とは付いてますが、妖怪に詳しい民俗学者・小松和彦氏による京都の地理と、歴史&伝承を組み合わせた解説本です。古典やオカルトに慣れ親しんだ私としても、原書を開く事無く由来を思い出したり、旅行での記憶を思い出したり出来る便利な一冊。逆に歴史や古典に触れてこなかった方も、こういう本を使って、民俗学のフィールドワークの様に、現実の街歩きと古典、伝承、歴史書をリンクさせていくのは、新しい発見も有って面白いと思いますよ(・ω・)ノシ2015/11/24
m
16
ちょっと怖そうなタイトルに惹かれて。都として長い間栄えた京都だからこそ、伝説や因縁の残る地が多くある。八坂神社も疫病除けのために建てられたのだと思うと、参拝するのが少し怖いような…。陰陽師や源頼光についてもっと知りたくなった。天狗にも会ってみたい(笑)図書館で自動書庫に入っているのを出してもらったが、読む人が少ないから書庫に入っちゃったのかなぁ。面白いのに残念。2015年230冊目。2015/12/15