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内容説明
モンゴル帝国は東の中国世界と西の地中海世界を結ぶ「草原の道」を支配し、それによって世界史の舞台を準備した。もっとも帝国とはいっても、一人の皇帝が中心にいて全国を統治するというものではなかった。その内部の構造はどうなっていたのだろうか。そもそも、その巨大な帝国はどのようにして創られたのだろうか。今は歴史の後景に退いた、史上最大の帝国の過去と現在。
目次
第1章 モンゴル帝国の建設(テムジン以前のモンゴル テムジン・チンギス・ハーン ほか)
第2章 元帝国の発展(元の世祖フビライ 世祖の余慶 ほか)
第3章 西方のハーンたちと明朝・朝鮮(チャガタイ・ハーン家 イル・ハーン家 ほか)
第4章 オイラト時代(アリク・ブガ家の復讐 明の永楽帝の親征 ほか)
第5章 北元の復興(ダラン・テリグンの戦い 左翼と右翼 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
fseigojp
13
ユーラシアの大半の国はモンゴルがつくった2019/10/29
Zhao
3
いわゆる13世紀のチンギスハーンからフビライまでではなく現代までつながるユーラシア中部の通史。 30年習った四汗国と元なんぞほんのワンショットに過ぎないんだなぁ… とはいえ後半は地理的に馴染みがないせいか、筆者が引用する伝承系の物語が馴染まないからか辛かったなぁ〜σ(^_^;) 明清の中国裏面史でもあり興味深いんだけど。2016/02/15
MORITA
2
チンギス・ハーン以前も含むモンゴル帝国の通史。世界史(ヨーロッパ史)と日本史とに分けられてしまう教育課程ではモンゴル帝国がもたらした影響を掴みにくいが、現代に通じる国境・チンギス統原理により興亡した国家群・草原のみでなく海上シルクロードの発達とモンゴル帝国がユーラシア大陸の大部分を統一したことによる歴史への影響はもっと評価されるべきものと思う。2016/02/21
むとうさん
2
同じタイトルの新書で杉山正明氏の本があり、そちらの方が比較的有名だったりするが、この本の特徴はいわゆる「元」が中国を追われた後の歴史について詳しく綴っている点。ロシアやインド、トルコ、そしてもちろん現代の「モンゴル」の成立と「モンゴル帝国」が深くかかわっているのだが、杉山さんの本だとその辺は仄めかしで終わっているのに対し、こちらはしっかりと書いている。ただやはり250ページ程度で説明するのは無理だったのか、人物の羅列が多くて消化不良気味。歴史書のエピソードが豊富だったり面白いことは面白いのだけど。2012/09/12
百木
1
(前史に多少触れつつ)チンギスハンの登場から現代までのモンゴルを中心とした通史的内容。インドのムガル帝国はモンゴルの血統であり、チンギス統原理はテムルの帝国や帝政ロシアの成立段階に大きく関わりがある。元に代わった明も制度的には元を踏襲し、食事や儒教の面を中心にモンゴル化が起こった。朝鮮のハングル文字や同姓不婚制度もモンゴルに由来。北元以降は内紛やオイラトとの戦が続き(この辺は固有名詞に馴染みがないから中々読みづらい)世界史の中心からは降りることになるが大帝国の残したものというのは非常に大きいことが分かる。2017/07/20