角川文庫<br> 旅涯ての地(上)

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角川文庫
旅涯ての地(上)

  • 著者名:坂東眞砂子
  • 価格 ¥616(本体¥560)
  • KADOKAWA(2013/09発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784041932063

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内容説明

13世紀、イタリア。元王朝クビライ・ハンに仕えたマルコ・ポーロ一族がヴェネチアに帰郷したとき、一行の中に宋人と倭人の血を引く奴隷がいた。名は夏桂(かけい)。彼の運命は、偶然手にした一枚のイコンによって、大きく流転する。イコンは当時、邪教と呼ばれたキリスト教・異端カタリ派の所有するものであり、それはキリストの「聖杯」でもあったのだ。そして夏桂は謎の女伝道師マッダレーナに導かれ、信者たちの隠れ住む〈山の彼方(ウルトラ・モンテス)〉へと旅立つが…。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

385
時は13世紀。ヴェネツィアのポーロ家(あのマルコ・ポーロの一族)のタルタル人(東洋人)奴隷である夏桂の語りを主軸に物語は展開してゆく。不穏な人物がヴェネツィアの街を徘徊するが、やがてそれは聖杯、そして異端カタリ派へと際限なく拡がりを見せてゆくのである。小説は細部に凝っており、時代考証もなかなかに綿密であるように思われる。そのあり様はウンベルト・エーコを想起させないでもない。少なくても、歴史小説としてのリアリティには細心の注意が払われていると言えるだろう。下巻の、そして全体の終幕は予想もつかない。2019/06/10

財布にジャック

54
カタリ派の出てくる小説を読み続けて、セオドア・ローザック、佐藤賢一、帚木蓬生、ケイト・モス、そしてこの坂東さんの作品で遂に5作品目になりました。ヴェネチアが舞台で主人公がジパングの血を引く奴隷という魅力的な設定、更にマルコ・ポーロ一族やカタリ派、聖杯まで絡み間違いなく歴史ロマン大作でした。第一章はかなり時間がかかりましたが、第二章からはページをめくる手が止まりません。夏桂の運命やいかに! 2011/08/19

そら

41
読友さんのおすすめで読みました。とっても面白くて読んで良かったです。マルコポーロ家の奴隷男が主人公。13世紀のイタリアの奴隷制度、キリスト教の宗派同士の争い、市井の庶民の様子、貿易商たちの何年もかかる船旅、など、、興味津々(^^)。異邦人、異端、伝道師、「聖杯」、山賊、公開処刑。。現代から見れば異世界ファンタジーのような話の展開ですが、世界史として十分ありえる話なんだろうな。続きが気になります!2019/04/20

青葉麒麟

18
登場人物の名前を覚えるのに随分と手こずった(>_<)ベネチアの風景描写がとても良かった。特に街が浸水してボートで渡る場面が好き(^ー^)2012/06/01

Tetchy

15
13世紀の日本、中国、モンゴル、ペルシア、イタリア、そしてアルプスの村落と舞台は移りゆく。日本の古き因習に囚われた業の深い人間とその怪異現象を村や町といった閉鎖空間で物語を紡ぎ出してきたこの作家にしては珍しい作品である。13世紀の街並みを匂いすら感じさせるほど緻密に描いた本書はしかし、当初私はなかなかその物語世界に没入できなかった。しかし物語が急転する第2章以降はそんな事は気にならなくなり、のめりこむことが出来た。でも上巻だけで物語が完結しているようだが、下巻はどんな話になるのだろう?2009/11/02

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