内容説明
新宿、そして上野駅を爆破した僧都保行は、さらにインドネシア石油相を暗殺。その後、米海軍の弾薬輸送車から核地雷を奪って逃走した。彼の真の狙いは、日本列島及び環太平洋国家の死滅! 国家非常事態。死力をつくす公安特科隊の中郷と伊能の裏をかくように目標に近づく僧都。だが、無敵に思えた犯人にも意外な弱点があった……。 伊能&中郷(スーパー刑事)の死闘。痛快巨編!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
うえぴー
8
上巻の最後で、敵に重大な弱点があることがわかり、下巻では弱点を抱えた敵がどのように逃げおおせるのか、という興味で読者を引っ張ります。確かに自衛隊・警察を巻き込んだ混成チームを手玉に取る敵の活躍は面白い。弱点を抱えた敵の暗い執念も面白い……んだが。このラストはいただけないなあ。終わり方を考えずに始めた連載で、風呂敷を広げたのはいいが、畳むというより風呂敷自体を燃やしちゃった感じ。まだ寿行暦は短いけれど、これまで傑作ばかり読んでいただけに、久しぶりに読みながら「おいおい(怒)」と突っ込みを入れてしまいました。2015/06/28
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3
中郷のキャラクターが良い。僧都の狂気に飲まれ、どんどん過激になっていく。ラストが投げ槍な気もするが、序盤のテロの展開そして中盤何度も惜しいところで取り逃がす描写などは面白かった。病院のシーンなどは公安側が油断しすぎな気もするが...2023/06/02
毒モナカジャンボ
0
伊能はまぁ精悍な男に悲劇的な過去、というハードボイルドのお手本のようなキャラクターと言えなくはないが、中郷という完全に終わっている人間とバディを組むことによって異様な魅力を放ち始める。中郷の過去は謎であり、公安特科隊がすべてでありこのような場所でしか生きることが出来ず、これを維持することに執念を燃やすというどこか小せえ動機に突き動かされているのだが、暴力への振り切れ方が尋常ではなく、外形的には公務員の保身と見えなくもない動機に対してあまりにも不釣合いな、箍の外れたところがある。この不均衡が魅力なのだ。2021/05/08




