内容説明
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残忍な殺人者にも、肉親を想う優しい一面がある。自ら死刑を望むこともある。本書は、ある死刑囚の手記から描き出された殺人者の心の軌跡である。1975年、北九州市で4人を殺害した暴力団員川辺敏幸は、77年に死刑判決を受ける。しかし、彼は弁護士による控訴を取り下げ、絞首台への道を選んだ。母一人子一人の不幸な幼年時代から、凄惨な殺害現場の模様まで。母親へのインタビューも加えた迫真の犯罪小説。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
田中峰和
2
北九州のヤクザが、4人の殺害で死刑が確定し雑誌の人生相談に投稿して受けたアドバイスをきっかけに書かれた懺悔の文章が元ネタ。「復讐するは我にあり」で有名となった佐木隆三が殺人犯の文章に加え関係者への取材から本書を完成させた。先ごろ死刑判決の出た工藤会総裁の地元北九州はヤクザ天国のようで、川辺敏幸のような犯罪者が多いのかもしれない。警察との癒着もあるのか、川辺は判決が出るまで、わがまま放題で、ドライブをして、知人の家で入浴していたことがわかる。死刑判決後、上告を取り下げた川辺だが、死刑になって当然の男だ。2022/01/01
まさき
0
面白いと言ってはいけないのだが興味深かった。
3104
0
以前あんなに読んでいたこの作者の一連の作品。 本当に合わなくなった。新聞を読んでいるようだった。2014/05/05
TEDDY曹長
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暴力団組員がおかした犯罪と、その結果として受ける死刑執行までを犯罪者の側の視点で書かれた本作。心境の変化と、なぜ犯罪をおかしてしまうのか?と言う疑問が生じてしまった。特に一般の人を殺してしまった時の心の動きには怖い物を感じた。いくら最後に真人間になろうとも、重大な犯罪者には変わりなく、その罪を一生消えないのだとあらためて感じる2013/08/20
Tohru Iwami
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北九州市で1977年に4人を殺害した暴力団組員の手記をもとに書かれた犯罪小説。迫力があって、出張の新幹線で一気に読んでしまいました。しかし、35年前も今も福岡の暴力団の活動状況は少しも変わっていない。2012/10/17