中公文庫<br> カエサルを撃て

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中公文庫
カエサルを撃て

  • 著者名:佐藤賢一【著】
  • 価格 ¥924(本体¥840)
  • 中央公論新社(2011/12発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784122043602

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内容説明

混沌とするガリア諸族を率いローマ軍に牙を剥く、美しくも残忍な青年ウェルキンゲトリクスと、政治家人生も終盤を迎え、劣等感に苛まれるローマ軍総督カエサル。熾烈な戦いの果てに二人が見たものは?

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mapion

233
カエサルがガリア総督だったのは40代後半、既に中年。ガリアはローマとの戦に敗れ、カエサルから搾取され続けていた。そんな中ガリアの若き英雄ウェルキンゲトリスクが、酷薄に民や軍人を死に追いやる事もありながら、ほぼ全ての部族をまとめ上げ的確な戦略と戦術でカエサルを追い詰める。カエサルは禿げ隠しに余念がなく、自著ガリア戦記で事実を糊塗して都合よく書き、政治的闘争に汲々とする。カエサルはウェルキンゲトリスクとの戦いの中で、若き英雄と比し自分は英雄ではなかったのかと惑う。中年と若年の英雄が対峙し、戦いに決着がつく。2025/07/06

優希

76
面白かったです。ガリアとローマの王と英雄の戦いは鮮烈であり、その先に何を見るかが描き出されているように感じました。侵略のローマに刃を向けることでその勢いを止めようとしたのでしょう。しかし、力を持つローマにおいてカエサルが劣等感を抱いていたというのが意外です。ローマではなくガリア視点で描く世界史が興味深い作品でした。2018/04/29

ehirano1

61
悩める中年カエサルと復讐に燃える青年ヴェルチンの後世に残る対決の話。両者共に勝敗に一喜一憂しながらの成長が描かれています。彼らを取り囲む人物達についても彼ら同様に苦悩しながらの成長が描かれている点は秀逸だと思います。最終項にも示唆されていますが、カエサルを最終的に帝王にしたのは彼の才能よりも寧ろヴェルチンとの対決という機会があったからこそだと感じました。2016/08/11

ehirano1

52
再読。本書はカエサルvs.ヴェルチンですが、見方を変えると、上を目指す中年上司vs.血気盛んな有能ではあるが反りっ返りの部下、とも見ることも不可能ではありません。しかし、上司が部下を滅ぼしてはなりませんから、「上を目指す中年上司が血気盛んな有能ではあるが反りっ返りの部下をうまく扱うための術」と置き換えます。こういった視線で再読すると、カエサルの心理描写から生まれる彼の考えは上を目指す中年上司にとってのヒントが沢山あると感じました。2016/08/13

goro@the_booby

49
ガリア戦記は読んだことないけど佐藤版ガリア戦記を楽しめた。若きウィルキンゲトリスクはフランスの英雄だったんだな。幼い妻エポナとの最後は胸アツ。それまでは獣のような彼だったのにね。負けた側にも歴史があり誰かが書かねばならない「カエサルを撃て」とウィルキンゲトリスクの叫びが印象的だ。そしてカエサルはルビコン河を渡ってゆくのね。 「ガリア戦記」も読んでみたい。2025/06/03

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