内容説明
運命に翻弄された祖母の恋。この出会いもまた前世の定め?■戸口に現れたユーイン・フレーザーを一目見たとたん、ロザンナは体の奥底に震えが走った。初めて会った見知らぬ人なのに、なぜ……。ユーインもまた、驚きの表情をあらわにしている。でもそれは、ロザンナが祖母のローズに生き写しだったからだ。祖母はかつて第一次大戦下の戦場に看護婦として赴き、少尉だった彼の大伯父のハリーと恋に落ちた。そのいきさつは、残された手紙や日記に詳しくつづられている。史実を題材にしてベストセラー小説を書いたユーインは、次作で戦下の二人を描く調査のためにロザンナの家を訪れたのだ。彼はただ、わたしの中にローズの面影を探しているだけ。わたしが動揺したのも、不意に彼の訪問を受けたからにすぎない。だってわたしには、デイヴィッドがいるのだから。ハンサムで前途有望な医師である、愛情深い婚約者が……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
糸車
6
初対面からなにかを感じ合っていても障害があって結ばれないふたり。うまくいくかと思えば様々な誤解が生じたり横やりが入ったりプライドが邪魔をして頑なになったり。ヒーローもヒロインもお互い誠実に向き合っているのに。根がロマンチストなふたりにはどんな問題があっても自分にはこの人しかいないと思える過程が必要だったのかも。友人や家族が要所要所で背中を押してくれるのもこの作家さんらしいお話。ヒロインの元婚約者に体格的に負けたと感じたヒーローの嫉妬心に思わずにやり。ハンサムでモテるヒーローには屈辱だったんだろうなあ(笑)2014/03/13
りり
1
★★★☆☆著者のテンプレ通りに進むお話。ここまで同時進行だったヒロインは初めてかも。最後はすれ違い&思い違い。スコットランド人ヒーロー2015/08/20
こえん
1
教師のヒロインと、元ジャーナリストの作家ヒーロー。ヒーローが次作のためにヒロイン祖母と自身の大伯父の恋にまつわる調査を行っていて、若い頃の祖母にそっくりなヒロインに出会うところから始まるお話。戦死したと思われていたヒロイン祖母の婚約者が生きていたため、ヒーロー大伯父と結婚に至らなかった…という過去をなぞるように、H/Hの間にもヒロインの婚約者の存在が立ちはだかることに…という展開。仲違いをしたH/Hが、互いに対して行動を起こそうとしたときのタイミングの悪さが印象的だった。2010/10/30