内容説明
6つの台所をめぐる「わたし」の物語。
『三千円の使いかた』の著者が贈る、
ちょっぴりほろ苦く、じんわり心に沁みこむ「暮らし」をめぐる物語。
◇◇◇
2人の子供が巣立ち、定年を迎えた夫は長年望んでいた仕事のため海外へ。広い家にひとり残された主婦は、15年前、越してきた日に購入を諦めたステンレス製の両開き大型冷蔵庫を迎え入れるべく、家電量販店を目指す。今度こそ、自分が本当に欲しい冷蔵庫を手に入れるため……。(ままならないキッチン、ままならない人生)
昔から「内藤」と「鈴木」姓の人間しか住まず、たがいに反目し合い、口すら利かない風習の島に嫁いだ女性を待ち受けていた運命は?(冷凍庫冷蔵庫合わせて五台)
食べ盛りで生意気な4人の子供を育てるシングルマザーの台所には、常に油をなみなみ張った中華鍋が鎮座している。(毎日、揚げ物)
……世代も境遇もバラバラの5人の女性たちの前には、30分の深夜ドラマ「台所のあるところ」があった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
142
ほわんとした優しい感じのカバーイラストに、騙されるべからずと言った読後感。夜中の30分ドラマ『#台所のあるところ』を視聴する5人の女性たち。それぞれの短篇をそのドラマが繋ぐのがミソで(このあたりひ香さんは上手い)最後は各話のその後をまとめた感じ。一話目は何となく分かるよって、主婦目線でスタートした私だが、次々とおや?あら?これはちょっしたホラー?と受け取ったりしたのだ。いや、ほっこりもあるし、切なさで一杯になったりもする。ドラマの進展も気になって(2度おいしい?)一気に読んじゃった次第。2026/06/02
ごみごみ
56
女性たちが主人公の短編集。それぞれが抱えている家族の問題、そして台所事情。わが家も10年ほど前にリフォーム経験済みなので、食洗機問題とか冷蔵庫問題とか共感出来るところが多々あった!キッチン、じゃなくて台所って雰囲気がなんか好き。表紙絵からほんわか温かい話だと思って読み始めたけど・・まさかの島の因習!? こわーい!度々挟まれる深夜ドラマ『台所のあるところ』もなかなか不穏な展開。最終話でホッと出来る構成が巧い。2026/06/03
ぼっちゃん
52
【第175回直木賞候補作】深夜TVドラマ「台所のあるところ」を見て#台所のあるところでつぶやく女性5名の物語。1話の「ままならないキッチン、ままならない人生」は夫は定年退職したが海外にボランティアに行き一人となった主婦が壊れた冷蔵の買い替えを考える話でほんわかした物語かと思えば、3話の「冷蔵庫冷凍庫合わせて五台」は内藤と鈴木の姓の人しかいない因習のある島の物語で怖かった。深夜のTVドラマも1話ごと進展するので気になってしまった。2026/06/12
yuni
47
年齢も立場も違う5人の女性の短編集。それぞれの人生や抱えている悩みを映し出す場所として「台所」を選んだところが絶妙でした。浴室でも寝室でもなく台所。主人公たちが観ている深夜ドラマ「台所のあるところ」。これがまた作品にうまく組み込まれた構成で、物語の中でさらに物語を楽しめるようになっています。個人的には深夜ドラマが一番面白かったかな笑。5つの物語もドラマの内容も前向きな終わり方で読後感もよかったです♡2026/05/24
tan
39
各章で「台所のあるところ」というテレビドラマが少しずつ展開していくが、そのドラマ自体にはあまり興味がわかなかった。どちらかというとそれぞれに出てくる男が嫌なヤツばかりでムカムカした。特に「半殺し」の蓮は、私の大嫌いな「器の小さい男」なのでもっと打ちのめしてやればいいのに。と思った。そういえば私の地方でもおはぎのことを「半殺し」と呼ぶが今まで方言だと思っていたが、他でもそう言うのかと驚いた。2026/06/06




