内容説明
堕胎医が軒を連ねる江戸・薬研堀。腕利きの闇医おげんの元に、手込めによって陰部を裂傷した娘が訪れた。五日後、またしても若い娘がやって来る。連続強姦か?そんな矢先、おげんが堕胎術を施した娘が身投げし…。おげんが解決する時代医学推理集!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あっちゃん
16
阿蘭陀人との混血の主人公女医者おげん、堕胎専門といった産科医だけど、いろいろ事件に巻き込まれる!岡っ引の角十との因縁はイラつかせるけど、おげんの大人の対応がカッコイイ(笑)しかし、おげんには、もう少し幸せになって欲しいなぁ( ̄▽ ̄)2021/10/24
だいしょう@SR推進委員会
3
様々な事情で堕胎を望む女たちの施術をする、阿蘭陀人との混血であるおげん。そこには、もちろん重苦しい人間関係や江戸社会が見え隠れする。作家が医者なだけに、おげんの治療や病人の症状は客観的に描写されている。そのせいか、こちらも冷静に読めてしまう分、情感を得るのが難しい時もあった。最終話は、今までの堕胎だけのおげんが全く違った面を見せる。おげんの医者としての矜持を感じてよかった。先人たちである医者たちの試行錯誤の末に今があることを、作家はさりげなく伝えているようだ。2011/11/09