出版社内容情報
二〇二二年五月に、介護していた西村光夫が急死して、あっけにとられ、自分の中から言葉が湧き出てきたのが附章の『ごんべえ』という冊子になりました。古くからの知人二人のお目に止まり、あれこれおしゃべりしていた結果、「何か書く」という方向になりました。西村の死の一か月前に、共通の友人であるライター高橋姿子さんが亡くなったのも、私たち三人が顔を合わせるきっかけになりました。「みなさまのおかげで」という定番のお礼が定番以上の意味を持っています。死は残された人たちをつなげていく、まさしくそのとおりです。
内容説明
若き日に東大闘争を経て、小児科医院を開業した後、「寺小屋」活動に参加、「隅田川医療相談会」では野宿者と会話を重ね、“学校・医療・介護”の現実と向き合った日々の記録!友人・鶴丸幸代さんとの対話。
目次
第1章 鶴丸幸代さんの問いかけ(鶴丸幸代さんからの論文;鶴丸幸代さんと私)
第2章 学校・医療・介護の現実(この世を生きる見通しがあるか?;学校、幼稚園、保育園;医療;介護;子産み・子育て)
第3章 制度から逃げて…行先は地域(柏の寺小屋―個別具体的につき合う;ユーズリサイクルセンター;松戸・すぺーす遊;在日パキスタン人;パキスタンへ;パキスタンの人々の暮らし;地域の怖さ)
第4章 地域からはずれて…野宿の人々(隅田川医療相談会で;野宿生活になった理由;野宿する女性たち;仲間としての野宿者;見えない野宿者;働く場作り「あうん」)
第5章 私と世間との距離(友達に言えないこと;東京へ;高校生活・自由と自治;世間との距離;進路・医学部へ;医学部のストライキ;機動隊突入;闘争終了のあと;地域医療Z;アブー・ハーンの山羊)
附章 追悼・西村光夫さん/ごんべえ
著者等紹介
ますもとうめ[マスモトウメ]
池亀卯女。1944年東京生まれ。1983年千葉県松戸市で池亀小児科医院開業。2018年同医院閉院。松戸市周辺で地域活動。1985年活動の場として「すぺーす遊」を開く。障害児の親の会、ツッパリ少年たちの仕事場、などを手伝う。1991年からパキスタン、カラチの学校支援活動に参加。2001年から隅田川医療相談会に参加(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。