内容説明
京都で猛威をふるう竹内式部の尊皇思想に尾張、水戸の両家が呼応し、御三卿と全面対決。生きのこるのはどちらか――。本格歴史巨編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
再び読書
38
最近徳川15代を読んで、そう言えば、昔さらっと習った事を今頃思い出し、手に取った本。最後は少し呆気なかったが、面白く読めました。田安宗武(小次郎)、一橋宗伊(小五郎)、清水重好(万次郎)の御三卿成り立ちと御三家との確執がよくわかる。そら、御三家側からすると当たり前の視線ですよね。事実この御三卿設置のせいで、尾張からは将軍が、出なかったという事実が物語っている。ただ、御三卿も一橋家以外は将軍を出せていない。しかし、この結末はどうなんねんって感じさせる。御三家のお仕置きは無しかい!って感じ!2016/10/16
シュラフ
18
徳川家の御三卿と御三家の対立に、宝暦事件(江戸時代中期尊王論者が弾圧された最初の事件)を織り交ぜた解釈を加えた小説の構成となっている。江戸時代の尊王活動というと幕末しかなじみはないのだが、長い徳川時代には色々と事件があり、幕末の幕府の弱体化により尊王活動は一気に噴き出したのだということを知った。 2014/11/29
へたれのけい
4
徳川の体制内での重厚な陰謀物としては余りに軽く、若様侍の軽妙さを狙ったとするなら展開がじっとり陰湿です。これは残念ですな。2014/10/19