内容説明
突然手を握りしめられ、彼の手の温かさを知った瞬間、十七歳の苑子は姉・薪子の恋人を好きになってしまった。クリスマスも間近に迫ったある日、二人は薪子を残し駆け落ちしてしまう--。「永遠の恋がきっとあるはず」同じ人に恋してしまった姉妹の切ない三日間。透き通った冬景色に織りなす、真っ白な雪のようにピュアな恋物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
花宴(紅葉賀)
4
読み始め、主人公である妹の苑子が女子高校生という事もありあまり共感もないままに読み進める。後半、姉の薪子さん目線でストーリーは進む。ああっ、こういう手法ってアリなんだ!と感心。せつない、あまりにもせつない、薪子さんの行動のひとつひとつが・・・。前半とは裏腹に薪子さんの登場でグッと締まったストーリーになったな。2013/07/06
isuzu
2
在庫整理前に再読。あとがきで作者が『私は良い人間より、いい女になりたいと思う。』と書いていましたが、私は逆に、いい女でなくともいいから自分を誇れる良い人間でありたいです。狗飼さんの描く女性陣は、すべてがあまりにも自分とかけ離れているので好き嫌いを通り越して興味深い。2010/11/16
ばんび
1
姉の恋人を好きになってしまった高校生の妹。2人は駆け落ちをする。 姉の心情も描かれていて複雑な思いになりました。 駆け落ちをした2人、残された姉。 2人はその後どうなったのかまでは描かれていません。 想像にお任せしますな終わり方。 人を好きになること、その気持ちをよく描かれた作品でした。2020/04/29
つぐたん
1
ゆずるくんと苑子、薪子姉妹のお話。どの人の心に寄り添ってみてもせつないのはなんでだろう。幸せなはずの二人ですら、なんか悲しい。泣いてしまいそうで。2014/01/16
ふみか
1
薪子さんがかわいそうで仕方ないおはなし。なんでもくれるそんな姉はいないと思います。苑子ちゃんとゆずるくんにちょっぴり腹をたててしまうおはなしでした。でもゆずるくんみたいなゆるーいひと、いいな…(*´`*)2013/04/20